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2010年08月17日

漫画家は舌鋒鋭いなあ。

と思った柩やな氏の件。
別に柩氏だけじゃないけどね。

napsterがまだファイル交換サービスだった頃、スガシカオがFMで感情を抑えつつ「よく考えて欲しい」とだけ言ったのとか思い出す。
漫画家とミュージシャンの関係以上に、ブログとラジオ、っていうメディアの違いもあるのかもしれないけど。

まずこの件については、もしアニメのパッケージメディアが十分安くなっても、今「高いから」っていう理由で買わない人は、やっぱり買わないんだろうな、と思う。
「もっとたくさんのアニメのデータが欲しい」っていう理由(というより欲望)が生まれるだけだろうと。
正直、この文章はここで終わっていいぐらいだ。

アニメのDVDは高いということが自明のように語られているが、全てのアニメ作品のDVDが高いかというと、別にそんなこともないんだよね。
ガンダム00やマクロスFやワンピースみたいに従来のスポンサー収入型のテレビ番組として成立してるものや、崖の上のポニョや劇場版東のエデンみたいに劇的公開された作品のDVDは、十分一般的なDVDの価格帯に収まる値段で販売されている。
サンプル数が足らないかもしれないが。
それこそブリーチとか銀魂とか。

高いとされているのは、深夜に製作会社がスポンサーになって放送してるタイプのあれそれなんだが。
これについては、たぶん理由は2つある。
ひとつは、もともと見込まれてる(これだけ売ったら黒字、っていう)採算ラインが低いということ。
いわゆるマスターを作るコストは(盤にせよガワにせよ)生産数いかんによって変わらないので、製品一個当たりに上乗せされるコストは高くなってしまう。

もうひとつは、一般のテレビや映画は、パッケージメディアになる前に入場料やスポンサー収入でひと稼ぎしている、ってことだ。
(旧作映画のDVDがバカ安いのは、コンテンツとしてのライフサイクルが年金生活みたいな状態になっちゃってるからで、ひと稼ぎどころの話じゃない)

いわゆる深夜アニメはOVAから発展したビジネスモデルで、パッケージ一発勝負で制作費を回収するらしい。

だから、むしろ製作会社(アニプレックスやランティスやavexやスタチャ)が自分ちの宣伝広告費で放送枠を買っていることになる。
あとはメディアミックスで儲けが見込めたり、もともと製作委員会に参加してる出版社とかね。
ブシロードのトレーディングカードゲームのスポンサー料とかってナンボほどなんでしょうか。
あと、そういう意味ではゲームのCMやってる某ゆるやか部活アニメは、パッケージの値段下げられるのかもしれないけど、一個のヒット作を骨までしゃぶりつくして別の作品のアカを埋めるのは、どこの業界も一緒だし。

むしろ俺はあの値段とあの平均売り上げ枚数で、どうやって業界全体がペイしてるのか不思議でならないぐらいなんだけど。

【追記の追記】
せいぜいバイトする年代の人たちがバイト代で買える値段じゃなきゃダメだ、っていう話なら、それはそれで正論かもしれないと、アップしてから思った。
その場合は豪華特典つき初回限定なんとかパッケージ仕様みたいな売り方とは真逆で、コンビニに並べるみたいな売り方になるんだろうなあ。コンビニに売ってる映画とかのDVD、買ってる人見たことないけど。

投稿者 ushila : 2010年08月17日 21:03

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コメント

アレだ。族がシーマ乗るみたいな(笑)。

投稿者 ぜ : 2010年08月18日 12:23

バイトして買う人こそ、初回限定の高いパッケージに手を出している気がする。

投稿者 Kirishima [TypeKey Profile Page] : 2010年08月17日 23:38