« 8/3 京都町内会バンド@Star Pine's Cafe | メイン | 8/9 ERA+有田純弘+吉見征樹@西荻窪 音や金時 »

2008年08月08日

8/2 FUKAIPRODUCE羽衣 『ROMANCEPOOL』@アゴラ劇場

今年見た演劇39本目。

FUKAIPRODUCE羽衣 『ROMANCEPOOL』
作・演出・音楽:糸井幸之介

---
「どこまでも突き抜けやがれ!」

FUKAIPRODUCE羽衣は3回目になるが、
どれも男と女の泥臭いエロ風な話だった。

“妙ージカル”(みょーじかる)と言われるこの劇団はみんなで歌うし踊りもする。
でも、“ミュージカル”とは言わないところは、夜の雰囲気を滲ませて、
男と女の話を勝手な妄想で大きく膨らませて繰り広げたり、
“昼間”とは程遠いお芝居をするところにある。

今回のお芝居は、“ROMANCEPOOL”ということで、
舞台セットはそのままプール。それで観客はプールサイドで見てるというわけ。

向かいのプールサイドには、男の役者陣が椅子に腰掛けてトロピカルジュース。
青春を語っているようで、女のことで頭がいっぱいなやつらだ(苦笑)。

女性陣はプールの中で泳いでいる(水があるわけではないが)。
やっぱりこちらも男のことで頭がいっぱい。

そんな男性陣と女性陣の縮まらない距離を懸命に短くしようとするのだが、
その足掻きとお互いへの妄想は一向に収まる気配はない。
ただ、本来恥じるべきものかもしれないものを
惜しげもなく描いてしまうのがFUKAIPRODUCE羽衣の凄いところだ。
それでも、恥ずかしさよりも微笑ましさが伝わってくるのがさらに不思議である。

この劇団名物役者(と私は勝手に思ってる)藤一平という役者。
完全に白髪であるので、この劇団の最年長だと思うのだが、
この人が醸し出す雰囲気。
声は温かみはありながら、演じるものは大人の余裕をもったエロス。
おっとりしてるような感じで、カッコいいというわけじゃない。
でも、静かなキリリ、とでも言えばいいのだろうか。
どこか筋が通ったものがあるのを感じる。

根底に流れているものは変わらないけど、
この劇団の“妙”な感じからは目がどうにも離せないものがある。
小劇場でどこまでも突き抜けてほしいと願うばかりだ。

-----

ところで、年末に予定している藤一平リサイタルとは何だろう…。

藤一平でちょっと調べてみたら・・・
http://www.letre.co.jp/artistfiles/male/fuji/1.htm
なるほど、どこかで見てるなあ、きっと。

投稿者 i_rain : 2008年08月08日 00:30

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.torihan.com/mt/mt-tb.cgi/967