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2008年06月28日

5/12 東京デスロック unlock#LAST/REBIRTH#1 『WALTZ MACBETH』@吉祥寺シアター

かなり戻って、今年、23本目の観劇。

東京デスロック unlock#LAST/REBIRTH#1『WALTZ MACBETH』
原作 シェークスピヤ
翻訳 坪内逍遙
構成・演出 多田淳之介

東京デスロックの出会いは『再生』という劇で、
まだ劇を見始めて10本とかそのくらいでした。
そのときは、途中で帰りたいと強く思ったのだけど、
後ろに演出家の多田さんが座ってるし、混んでるし、
そこで帰る勇気が出ませんでした。
我慢も勉強。言うのはカッコいいけど、ほんと帰りたかった(苦笑)。
これを見て、怒った人もいたらしい。

『再生』は、若者たちが部屋に集い、飲めや歌えやで大騒ぎし、
そして一人一人倒れていく…。
で、それを何事もなかったかのように3回繰り返す。
最後には血を吐いて倒れるのだが、
なんという“繰り返し”だったのだろうか。
最後が変わるから、ただの繰り返しではないのだけど、
その後の東京デスロックに対しては期待はほとんどなく、
“カラッポ”の気持ちで見に行っています。

舞台は正方形の形をし、客席はそれを取り囲む形。
舞台上に特にセットはありません。四隅に赤い液体が入ったワイングラスくらいです。
開演に先立って、演出家の多田さんが『MACBETH』のアラスジを説明してしまいます。
それってどうなの?とは思いましたが、
パンフレットにもアラスジがあるので、とりあえずOKかなあ…。

そして、暗闇の中、
東京デスロックのいつものオープニング
HIGH-LOWS「不死身のエレキマン」にて開演。

暗闇から暗転すると、マクベスが一人、舞台の真ん中に。
マクベス夫人、バンクォー、マクダフ、魔女…
それぞれの役者は椅子をもって舞台に上がって来ます。
マクベスはただその様子をなんとなく不安そうに見つめるだけ。

魔女「きれいはきたない、きたないはきれい」

科白そのものは確かに『MACBETH』です。
椅子に座ったり、倒したり、椅子とりゲームをしたり、
その中で進む会話劇(と言ってしまってよいのか)。

舞台上には確かに役者いて、『MACBETH』やってるなあ、なのですが、
ほとんどセットがない状態で、役者たちは椅子を持ち出している。
その椅子の扱いに、役者たちの心情などを映し出しているとすれば、
確かに見事なのかもしれない。
“セットが先に有りき”という劇からの劇的な解放であるのかな、という気もする。

なにか妙なセットを持ち出して、役者への制限となってしまうよりも、、
今回の演劇が「役者がそこにいること」に対する答えなのかもしれない。

新鮮だけど妙な演劇だな、と思いつつ、
また見に行ってしまうんだろうなあ、東京デスロック。

投稿者 i_rain : 2008年06月28日 02:15

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