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2012年10月09日

おおかみこどもの雨と雪

踊るFINALについて書こうと思ったが、なんかこっちの方が簡単にまとまりそうなんで。

これは「おおかみこども」という空想の存在が、どのように自分を選んでいくかの物語だったのだと思う。

無邪気で明るい雪(姉)は、ある出来事で同級生の男の子を傷つけたことをきっかけに? 人間の中で人間として生きることを選び、
病弱で内気だった弟は、自然の雄大さに惹かれ、自然の中で狼として生きることを選んだ。
(そういう意味では、人間に惹かれながら野生を捨てられなかったお父さんは、この話の中で一番悲しいのかもしれない)

間をざっくり省いてしまえばそういう話だ。

物語の最後にそういう選択をする姉と弟が、見た目やしぐさの上でも狼と人間を行ったり来たりする姿は実に愛らしく、アニメ的ファンタジーを以て描写された。

そう、これはファンタジーなのだ。

自然も村の人も、母親にふりかかる子育て的試練も「優しすぎる」のではないか、という批判もあるだろうが、そんなもんはNHKが思い出したようにやる、終戦直後に満州から引き上げてくるタイプのドラマにでも任せておけばよい。
(さすがの俺も赤ん坊を小児科と動物病院のどっちにかからせるか迷うシーンは笑うところか真剣に悩んだが)

そして雨と雪は、人間らしく思い悩み、おおかみこどもであるが故に人間より早く、そして狼らしく誇り高い自立を選んだ。
その姿こそ、「おおかみこども」が狼であり、また人間でもある証(または、雨と雪が「おおかみこども」でなければならなかった表現上の理由)だったのだと思う。


最後に。
この映画の公開直後に、自称映画評論家様が、作品内にありもしないシーンをあたかもあるかのようにブログで喧伝していたが、あんなものは悪質なデマゴーグなのでご注意されたい。
映画館にはまだ間に合うぞ。

投稿者 ushila : 2012年10月09日 18:29

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