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2011年04月19日

とある銃槍の超竜撃砲(おいおい

「君が、半田くんですか?」
寺園、、、いや、寺園先輩との激闘の翌朝、いつものように遅刻した俺は、昇降口の手前で声をかけられて、振り返った。

そこに居たのは、昭和の学園ドラマか、クラスの残念なヤツから巻き上げた、脈絡もなくいろんなタイプの女が主人公をちやほやする漫画の中でしか見たことがない、白い学生服にロン毛を結んだ、上背はあるものの妙に華奢な男だった。

どうせまた面倒事なんだろうなあ、と思い、俺は頭をかきつつ応答する。
「そうだけど、あんた誰?」

その返答は相手の予想通りだったらしく、そいつは右手に持っていた扇子(なんで持ってんだよ)をスッと差し出し、俺を指した。
「僕はこの学校の生徒会長、曲地 天。
 まあ、君が僕を知らないのは予想通りだよ。集会なんか、出たこともないんだろ?」

たしかに、生徒会長なんてものは、俺にとってやっぱり空想の生き物のような存在だ。
「その生徒会長が、わざわざ遅刻した一生徒を待ち伏せるって、何の用だよ?」

そいつ・・・面倒なので、アマツでいいだろう・・・アマツは、目を閉じてやれやれ、という調子で首を振る。
いちいちキザなやつだ。何か変なものでも食べたんじゃないのか。
「君が一生徒だって?本当にそうならいいんだけどね」

俺がそんなことを考えていると、アマツは優等生然とした高く澄んだ声で話しだした。
「残念だけど、君は結構な有名人なんだよ。
 校内の小競り合い程度なら、問題はなかったんだけどね。
 きみ、寺園先輩とも派手にやりあっただろ?
 あれはまずかったなあ。
 あの人はこの街でもトップクラスの実力者だったらしいから。
 まったく、里尾姉弟あたりと遊んでる分には、僕としても見逃せたんだが・・・」

おかしなことを言うヤツだ。
俺と寺園先輩がどうなろうが、それは「こっち側」の世界の問題であって、アマツのような優等生には関係の無いことだろうに。

俺はもう一度頭をかく。
「もう一回聞くぞ。な ん の 用 だ ?」
回りくどい物言いにイラついていた俺の気分を察したらしく、アマツは短く鼻で笑ってから、もう一度俺に扇子を突き出し、今度は静かに、パラリと開く。

「・・・この街のパワーバランスを崩す奴はね」
アマツの顔が、明らかにさっきまでとは違う様子に歪んでいく。
違う。こいつは、アマツは、こちら側の人間だ!
そう思い、武装化のコマンドを唱えようとした俺の前で、アマツは扇子を素早く横に払った。

「僕が制裁する!」

アマツがそう叫ぶと同時に、猛烈な突風が吹き抜け、空がかき曇る。
俺の武装化はギリギリのタイミングで間に合い、俺はその風と共に襲ってきたアマツの扇子(当然、ブレード付き)と、水の刃をガードする。
アマツはさらに歪んだ笑みを浮かべると、俺に語りかける。
「さあ、かかっておいで。この僕と、番長ごっこで喜んでる君の格の差を教えてあげるよ」

確かに、こいつは格が違う。
ベリ雄と二度目に戦ったときの竜巻や麗臼の炎も手ごわかったが、天気ごと変えるヤツは始めてお目にかかる。
だが。
こいつは言ってはならないことを言った。
「俺と寺園先輩の激闘が遊びだったかどうか・・・」
一度武器…オベリスクをしまい、俺はアマツにダッシュをかける。
「てめえのその身で確かめやがれ!」
風をはらんで宙に浮くアマツの足元でオベリスクを構えなおし、腰を落とす。
「食らえ!竜撃砲!!」
ガスバーナーのようにゆっくりと炎を吹く銃口から、刹那、爆炎が迸る。

俺とアマツの戦いが幕を開けた瞬間だった。

久々にブログ更新したと思えばコレかよ的な。
当然勢いで書いた。別に反省はしていない。

続き。
俺の竜撃砲がこんなに効かないわけがない(おいおいおい

投稿者 ushila : 2011年04月19日 19:48

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