« 10/11 ジョン(犬) etc.@高円寺 円盤 | メイン | 10/12 tico moon @ 祖師ヶ谷大蔵 cafe MURIWUI »

2008年10月16日

10/12 映画「東京人間喜劇」@ 小竹向原 アトリエ春風舎

青年団若手自主企画vol.40「東京人間喜劇」

今回は映画です。それでもアゴラ会員なので無料です。
助かるなあ…。

監督は映画「ざくろ屋敷」で話題となった深田晃司氏。
この方が青年団演出部の人だったとは知りませんでした。
キャストはほとんど青年団の方々。

この映画は「白猫」「写真」「右腕」の3話連作となっています(138分)。
話の主軸はそれぞれ違いますが、世界は一つであり、
それぞれの話で演じている方が他の話で脇役・端役として出てきます。
これを“人物再登場法”といい、
19世紀フランス文豪のバルザックにおける手法の一つなのだそうです。

結論から述べると、非常に引き込まれる映画でした。
作中の表現を拝借すれば、人物(の魂)はそれぞれ別の世界を描いて、
お互いが交わるかに見えて、すれ違ってしまっている。
逆に言えば、すれ違っているようでいても、交わることにはほど遠い。
パラレルな世界(平行世界)というのではないのですが、
それぞれが抱えている物語は孤独であり、それでも世界は一つ。
そういったところでしょうか。
3話目に圧縮された世界がいろいろな意味で
開放される(成立する)ような印象を受けました。

それぞれのストーリーは決して仰々しくなく、
身近で観ている人自身が身につまされるような素材を用いており、
観ているとどこか心が痛くなるようであり、
微笑ましい思いになるようなところもありました。
人間を身近な感覚で描き出されていたような気がします。
そういう意味で非常にすばらしい映画でした。
作りこまれ過ぎて現実感から遠くなるような作品が多い中、
映画と観ている人の距離が非常に近い作品だと感じました。

今は無き某英会話学校のCMに出演されていた
古舘寛治さんは相変わらず悪そうな人間を演じており
山本雅幸さんは「右腕」で主役を演じていました。
他にも志賀廣太郎さんとかは「右腕」では重要な役どころでしたし、
青年団で見たことある人が多かったので、個人的にも面白いものでした。
島田曜蔵さんがガチ過ぎる設定は笑ってしまった…。

それにしても、他では公開しないのかなあ…
ここだけだとするとなんとももったいない…。

一応、アラスジをごくごく簡単に記述しておきます。続く。

2,3行ですが、以下アラスジに触れます。
































「白猫」
ダンサーのファンである女性二人。
ふと劇場で知り合いとなり、意気投合するが・・・。

「写真」
アマチュア写真家の女性の物語。
写真展を開くものの・・・
理想と孤独のギャップを浮き彫りにしてゆく話。

「右腕」
事故で右腕を欠損した男の話。
欠損したにもかかわらず、「幻肢症」に悩まされ、
次第に孤独へと転落する話。

投稿者 i_rain : 2008年10月16日 01:31

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.torihan.com/mt/mt-tb.cgi/1009