« 4/5 原田博行 with SIESTA @ cafe SIESTA | メイン | 白い宇宙人から »

2008年05月13日

4/12 青☆組 vol.8 『うちのだりあの咲いた日に』@駒場アゴラ劇場

今年、17本目の観劇。

青☆組 vol.8 『うちのだりあの咲いた日に』
作・演出:吉田小夏

病床にある御婆ちゃんの家。
家に住む長男(?)と次女。そしてお手伝いさん。
結婚して出て行った一家の長女。
その旦那さんの連れ子は新しい“家族”まだ馴染めないもよう。
お隣さんも含め、飼い犬の命日に集まってきたのであった・・・。

私たち一人一人が帰れるところ・出発するところとしての“家族”。
語弊があるかもしれませんが、社会の小さい単位の中では
“家族を出発して、家族にたどり着く”そしてそれが繰り返されます。
パンフレットでの作者のコメントで
「砂に残した足跡を踏みしめるように」という表現が
的確で上手い表現だな、と思いました。
帰ってきた場所に残る思い出は、
夜明けの彼方にプカプカと浮かび上がり、沈みもしないし消えもしない。
ただ、私たちは目を細くしてゆっくり眺めるだけ・・・。
そこに特別な感傷を持ち込むことなく、
ただ風に吹かれる時間を描いているようでした。

吉田さんは家族を描くものが多いのですが、
どれも暖かくてどこか切ない。
奇を衒うようなところが多い劇が多い中で、
家族ものの劇となると、非常に見ごたえのある劇を書く人だな、
と思いました。

投稿者 i_rain : 2008年05月13日 00:58

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.torihan.com/mt/mt-tb.cgi/913