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2007年07月10日

4/22・5/5 青年団 第53回公演『東京ノート』@アゴラ劇場

2007年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その3,4。

「東京ノート」
作・演出 平田オリザ

1994年初演、1995年第39回岸田國士戯曲賞受賞作品。

ヨーロッパの戦争の余波を受け、東京の美術館へと芸術作品が避難してくる。
実際の戦争からは遠い地のこの美術館を訪れる人々にも戦争の影を投げかける。

美術館を訪れる人々には、
美術好きの姉の上京に応じて集まる兄弟たち、
遺品の絵画を寄付にやってきた人、偶然再会した家庭教師と教え子。

戦争とは一見無関係であっても、彼らの生活の隙間に入り込んで、
戦争への“意識”“無意識”を呼び起こしている。

・・・・・
多少の例外があるとして、
本来、演劇は中心となる場面は一箇所がほとんどです。
日常の場面においては、客観的な視点から見れば、
スポットライトを当てるのは観客自身の視点であり、
演出の理屈で
“一箇所にスポットライトを当てればよい、”
という考えは演出側と観客側の関係の中で
フェアであるか、言いかえれば、観客が演出に従う形になっていないか、
本来なら疑問になるところではないでしょうか。

青年団・平田オリザ氏が出演する、
同時多発的な場面・会話(2,3箇所以上で同時に進行する会話など)が
観客にスポットライトを当てる権利を与えられるのが
この青年団「東京ノート」の特徴だと思います。

実際には、客席によってある程度スポットライトを当てるべき場所が限られるのですが、
今年度のアゴラの会員制度は“1つの公演に何回も見てよい”と変更になったので、
違う席で2回見させていただきました。

同じ劇なのですが、注目しているところが変わってくるので
単純に2度楽しめた感じがします。
同時に2箇所で場面・会話が展開することが多かったのですが、
その2箇所の間に漂う空気に潜む緊張した感じが印象的です。

リアリティとしては申し分ないものだと思います。
また機会があればぜひ見てみたいと思います。

投稿者 i_rain : 2007年07月10日 00:02

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