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2011年11月11日

フルバーストパニック・ふもっふ!

突発モンハン学園バトル小説の続き。

振り向いた芦田は、俺に目を止めると、ゆっくりと木槌をふりかぶる。
「なんだ、お前?
 どうしてまだ居るんだー?」
それは俺が聞きたい。
あと、お前自身がここから出られない状況はどう認識しているのか。
「まあ、もう一回倒せばわかるかー」
芦田はまたブンブンと木槌を振り回して近づいてくる。

盾とガンランスの砲身で身を守りつつ、芦田の隙に突きをねじ込むように反撃を加える。
地味なようだが、俺としてはあんなゴツいハンマーをあと何発も食らうのはごめんだった。

そして、俺の亀のようなガードに業を煮やした芦田が、渾身の一撃を降り下ろそうとした瞬間、
「ダンナさん、危ないニャ!!」
藍瑠の声と共に、火がついた樽のようなものが飛んでくる。
それは芦田の横っ面に当たり、ボン、と弾けた。
芦田の頬の皮がめくれ、赤い真皮が見える。

……爆弾?

「藍瑠お前、そんなもんどっから出したっ!!」
って言うか爆弾の方が危ないだろ普通!
「わっかんないニャ!!ダンナさんが危ないと思ったら出たニャ!!」
「お前さっきからファンタジーが過ぎるぞ!!」
「いいから熊を追いかけるニャ!!」
見ると芦田は、足を引きずるようにして俺たちから離れようとしていた。
こちらの攻撃は十分効いているらしい。
たぶん、もう少しだ。

俺は一度武器をしまい、芦田の背後からダッシュをかける。
例の爆炎を撃つための冷却はまだ済んでおらず、俺としては手数で押すしかない状況だ。
芦田の背後から武器出しと共に突きを入れ、そのまま闇雲に芦田の体を突き刺す。
何発目かが叩きつけるような動きに変化すると、俺の指は間違って引き金を引いたようだった。
ずどんっ、という音が何発か重なって響く。

芦田はその場で一度体を伸ばし、空中を引っ掻くような動きを見せた後、倒れ込んでピクリともしなくなった。

まさか……。
俺は武器をしまい、芦田に駆け寄る。
しゃがみこんで、芦田の様子を確かめるが、幸い、気絶しているだけらしかった。

やれやれ。
安堵して立ち上がると、芦田の首元から、俺の左手首に光の線のようなものが伸びた。
それが一瞬強く発光し、やがてゆっくりと消えると、辺りの景色が暗くなっていく。

「ダンナさん!何ニャこれ!!」
俺にわかるかそんなもん。
「とにかく俺にくっついてじっとしてろ!!」
藍瑠が俺の足にがしっ、としがみついた直後、周囲の世界はいつも通りの空間に戻り、俺たちの姿も戻っていた。

芦田は……服装こそ元に戻ったが、そのまま舌を出して伸びている。
ほんとに大丈夫かこいつ、と一瞬思ったが、そのまま見ているといびきをかいて寝始めた。
よく見ると、顔のやけども無くなっている。

まあ。
ここなら人通りも少ないし、大丈夫だろう。
俺は大きく深呼吸する。
すると、腹が大きく鳴り、俺は昼飯がまだだったことを思い出した。

「……ダンナさん、おなか空いたニャ?」
藍瑠が俺の袖を引く。
「ああ。そろそろ昼だし」
藍瑠はニパッ、と笑うと、俺の手を引く。
「お母さんがダンナさんの分までご飯代くれたニャ! ココット'sでこんがりハンバーグ食べるニャ!!」
何か申し訳ない気もするが、俺の軍資金では手が届かない昼飯の誘惑には勝てず、俺は藍瑠に手を引かれるままにレストランを目指した。


続き「俺と彼女が狩人でオトモ。」

投稿者 ushila : 2011年11月11日 21:32

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