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2010年08月23日

Sweet Vacation "FUTURHYTHM 2010"

正直ね。
真っ正直な話として。

俺スイバケについては、若干複雑な思いがある/あったわけ。
同じ早川大地がやってる東京エスムジカに強烈な思い入れがある分。


でも、理解したね。今回。
このユニットがやりたいことは、基本的に「ポップス(またはライブ)は楽しいんだ」ってことの再提示なんだと。


だってむちゃくちゃ楽しかったもの。
「Tokyo Days」がベラボーにかっこいいんだもの。
「あいにいこう~I NEED TO~」で、大地パート一緒に歌いながら泣きそうだったもの。
(ところでこの口調はワタクシ誰なんでしょうか)

Mayはニコニコ笑ってクルクル踊りながら楽しげに歌うし、大地はヒップホップ系DJのように客煽りもかます。
更にステージの後ろのスクリーンでは、曲にあわせて作られた映像が流されている。
(特に「Tokyo Days」が秀逸。東京って広告で埋め尽くされた街だなあ、とも思うけど、アンディー・ウォーホルだって広告とかモチーフにして……ブツブツ。
 あと、漫画風のヤツ、誰が描いてるんだろう。あのMayちゃん超絶かわいくて待ち受けにしたいぐらいなんだけど)

ニューアルバムのタイトルは「Re;未来派宣言」だし、ライブタイトルの(アルバムのリードトラックの曲名でもある)「FUTURHYTHM」は、芸術運動としての「未来派」=Futurismoのパロディではあるけれども。
Sweet Vacationがやろうとしていることは、どっちかというとルネッサンス(文化復興)に近いんじゃないかと思うんだ。

なんだろ。当事者が読んだら気を悪くするかも知んないけども、少なくとも音楽というアウトプットに限って言えば、スイバケのやってることに新規性はない。裏っ側でスゲーことやってるにしても。
(なんだiPadからマックをリモートコントロールするって)

わかりやすく言ってしまえばMayはアグネス・チャンやビビアン・スーの系譜に連なる外人アイドル歌手だと思うし、シンセがピコピコ音を出すのはむしろ20世紀的な表現だとさえ言える。
ぶっちゃけた話、未来的なことをやろうとするなら、ボーカロイドに歌わせたほうが手っ取り早い(注;もちろん逆説)。そろそろあいつら3Dになるだろうし。

でも、その新規性の無さが、別に悪いことだとは思わないんだよね俺は。
って言うか、そこが良いんだと思う。

歌手がアーティストとしての優位性を装うこと(たとえば歌唱やダンスが誰かより上手いとか、作詞を自分でするとか)や、ファッション性をまとうこと(最先端のジャンルを演ってますとか、ファッションリーダーですとか)が必須になってしまって、むしろ「ポップス」の表現が窮屈になってしまった現代において、ポップミュージックとしての楽しさを提示することを第一義に置く、ってアプローチは、実は空き家だ。
ちょっと前(90年代~ゼロ年代初頭)のアプローチとしては、もう一個『メタ』としてやる(作家が歌手を弄り回して遊ぶ)やり方があったけど、スイバケの歌詞にも音楽にも、早川大地の世界観や作家性がこめられていて、メタの匂いは漂わない。


そんな飾りをごてごてつけなくてもポップスは楽しい。ライブは楽しい。
そういうことをスイバケが真っ向勝負でやり続けてくれるなら、俺はまた会いに行くよ。

投稿者 ushila : 2010年08月23日 01:12

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