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2006年07月09日

映画「嫌われ松子の一生」

複雑怪奇な映画だ。
見終わってから1週間ぐらい、感想がまとまらなくて非常にもやもやした。

ストーリーラインの部分と、映像表現の部分は別に語ったほうがいいような気がする。

まず映像表現の部分について話をすると、
コレはヒップホップの方法論で作られた映画なんではないか、と思うのである。

この映画の惹き句のひとつである「豪華キャスト」の平均登場時間が何分なのかわからないが、
見ているほうの印象としては「あっという間に」退場する感じだ。
ある意味では、チキチキとサンプリングされる出演者たち、と言った雰囲気なのである。

ソープランドや刑務所と言う、ディープなシーンは音楽にあわせて、
あたかもプロモーションビデオのように展開する。
いわゆるメロディーパートってヤツだろう。

で、せりふはわりと早口と。
残念ながらライムにはなってないように思うが、まあラップだねってことで勘弁してください。

で、そんなヒップホップな全体像(って我ながら強引だな)が内包する、
ストーリーの背骨のような部分に思いを馳せるとだ。

コレは「愛したい人」の物語ではなく、「愛されたい人」の物語だな、と、強烈に思うのである。
もっといえば、「愛されるための方法論として、愛するということを選んだ人」の物語、
っていうのかな。
(正直、光GENJIにファンレター書いて、返事が来ないとキレるくだりはドン引き)

そういう意味では、ストーリーラインとしては非常にクラシックだな、と思う。

愛されたいと思うのは人間の根源的欲求のひとつのような気がするのだけど、
それは果たして人間的な感情であるのかというところでまたひとつ考えたりもする。

で、一週間ぐらい感想が出てこなくて悩んだ、という話は冒頭にも書いたのだけど、
その後すぐに思い当たったのが、鈴木祥子の「忘却」だった。

というわけで、ご本人のセルフライナーを紹介させていただいて、この項はおしまい。

投稿者 ushila : 2006年07月09日 23:05

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