2008年12月07日

11/22 12/6 青年団第57回公演『冒険王』@ 駒場アゴラ劇場

演劇のことは久しぶりに書きますが、
ちゃんとコンスタントに観ておりました。
ということで、今年観た演劇(多分)56本目。

2008年11月15日(土)~12月8日(月)
青年団第57回公演『冒険王』
作・演出 平田オリザ

イスタンブールの安宿に住み集った
西にも東にも進めない若者たちを描いた物語(初演1996年)。

演劇とは日常とは違った物語・世界を
楽しむものであると思ってはいます。
けれども、私たちは紛れも無く現実の世界に生きている人間であるし、
自分の世界の範囲外のものに対しては、
畏怖の念のようなものを持ってしまうのも致し方ないところです。
そういうことで、後ろ向きな理由でありますが
現代口語演劇はとても受け入れやすく
観ていても自然に感じるところが多いなあ、と思ってるところです。
逆に言えば、許容の範囲が広いと、見る側の求めたいものに対して
単純にどこか物足りないと感じるところもあるかもしれません。
それでも、会話の不自然さ・違和感が強くなる演劇は
私には受け入れがたい部分が大きく、
青年団が私には最も受け入れやすいものかなと思ってます。

青年団の演劇は2回見ることが多いのですが、
どうしてかというと複数の会話が同時進行することが多く、
単純に言えば2回見た分だけの味わいがあるような気がしてます。

ほとんどストーリーの内容には触れていませんが、以下に続く。

11/22と12/6の2回見ましたが、
その間にこの『冒険王』の元となった
平田オリザ著
“新版・十六歳のオリザの未だかつてためしのない勇気が
到達した最後の点と、到達しえた極限とを明らかにして、
上々の首尾にいたった世界一周自転車旅行の冒険をしるす本”
を読んだので、2回目のときはナルホドと思って観ておりました。
場面としては本のごく一部ではあるのですが、
日記に記されたことがあちらこちらに出てくるのです。

さて、このお話は“行き場の無い日本人”を描いている、
というのですが、初演時から10年以上経過した今から見ると、
少なくとも私の視点では、自由闊達で希望はあちこちに
見出すことができた時代だったのではなかろうかと思いました。
“西にも東にも進めない”ではなく、
どちらにも自由に進むことの出来る(希望を選択することの出来る)ように思えました。
作者の平田オリザさんも今回の再演では戸惑いもあったようで
パンフレット上にここで出てくる若者を“活動的な”若者と記してありました。

単純な感想では“羨ましい”という言葉が浮かびましたが、
それはなんだろうか?
彼らが何を手にしていて、私たちは何を手に出来ないものだろうか?
よくあちらこちらで言われていることですが、
彼らにはまだまだ掴み取れるもの(情報という言葉がよく使われますが)が多くあって、
彼らの時代よりも溢れてしまっている今は、掴み取れるものを求めて、
(平田オリザさんの言葉で)“立ち往生”しているのかなと思ったしだいです。
“彼ら”と“私たち”という括りは乱暴ですが、
同時代に生きられない人々はそれぞれに“立ち往生”しており、
70年代末の彼らがいったい何に“立ち往生”していたのか
劇からは感じ取れませんでしたが、
確かに1つの時代がそこで変わりつつあることを
漠然と受け取れることができたかと思います。
非常に面白かったです。そして、どこか懐かしい気持ちがしました。
それは“憧れ”という言葉かもしれません。

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2008年08月13日

8/9 田上パル「そうやって云々頷いていろ」@アゴラ劇場

今年、40本目の観劇。

田上パル『そうやって云々頷いていろ』
作・演出:田上 豊

熊本弁を多用しながら、高校生の青臭くも可笑しい青春を描いた
体育会系高校生シリーズ3部作が完結。
今回はどんなものを見せてくれるのか楽しみだった田上パル。
予想以上に、危ない劇でした…。

3部作においては、どこかに必ずといっていいほど
体当たり的なアクションが組まれていて、
高校生的な悪ふざけを見事に出し切っていたのが印象的でした。

今回のアラスジ。
ダム底に沈むことになった村が舞台。
社会人となって、村へ戻ってきた一人の若者。
奇怪な霊媒師を呼びつけて、村おこしを図るのだが、一筋縄ではいかない昔の仲間たち。、
謎の観光客やニセ(村おこしの)コーディネーターを巻き込みながらも
だんだんと結束が固くなっていくかと思われたのだが…。

今回のアクションは、やりすぎです(苦笑)。
霊媒師が人を操るという、ある意味安易な設定で、
2階の高さから落ちたり、5mくらい横に吹っ飛んだりと
どう考えても「生傷耐えないだろ」というくらい危ない劇でした。
勢いの中でのそういうアクションなので、
見ていられないというわけじゃないのですが、
…やりすぎだろ(苦笑)。

それはそれでまあ元気をもらったような気がしますが、
ちょっと納得いかなかったのは結末。
ニセコーディネーターと謎の観光客が
村おこしのために結束を固めつつあったところを
全員薬で眠らせてしまって、一件落着(??)となってしまうのが
ようわからんかったなあ、と。

静かな口語演劇の影響を変に受けちゃったのかなと思ったりしましたが、
ちょっとそこが残念だなあ、と。
全員眠ったところで、もう一捻り期待してしまいました。

アクションに頼らず、青臭くも喧しい青春活劇を期待したいのですが、
まあ、社会人編第一弾として今後も元気をくれることを楽しみにしています。

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2008年08月08日

8/2 FUKAIPRODUCE羽衣 『ROMANCEPOOL』@アゴラ劇場

今年見た演劇39本目。

FUKAIPRODUCE羽衣 『ROMANCEPOOL』
作・演出・音楽:糸井幸之介

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「どこまでも突き抜けやがれ!」

FUKAIPRODUCE羽衣は3回目になるが、
どれも男と女の泥臭いエロ風な話だった。

“妙ージカル”(みょーじかる)と言われるこの劇団はみんなで歌うし踊りもする。
でも、“ミュージカル”とは言わないところは、夜の雰囲気を滲ませて、
男と女の話を勝手な妄想で大きく膨らませて繰り広げたり、
“昼間”とは程遠いお芝居をするところにある。

今回のお芝居は、“ROMANCEPOOL”ということで、
舞台セットはそのままプール。それで観客はプールサイドで見てるというわけ。

向かいのプールサイドには、男の役者陣が椅子に腰掛けてトロピカルジュース。
青春を語っているようで、女のことで頭がいっぱいなやつらだ(苦笑)。

女性陣はプールの中で泳いでいる(水があるわけではないが)。
やっぱりこちらも男のことで頭がいっぱい。

そんな男性陣と女性陣の縮まらない距離を懸命に短くしようとするのだが、
その足掻きとお互いへの妄想は一向に収まる気配はない。
ただ、本来恥じるべきものかもしれないものを
惜しげもなく描いてしまうのがFUKAIPRODUCE羽衣の凄いところだ。
それでも、恥ずかしさよりも微笑ましさが伝わってくるのがさらに不思議である。

この劇団名物役者(と私は勝手に思ってる)藤一平という役者。
完全に白髪であるので、この劇団の最年長だと思うのだが、
この人が醸し出す雰囲気。
声は温かみはありながら、演じるものは大人の余裕をもったエロス。
おっとりしてるような感じで、カッコいいというわけじゃない。
でも、静かなキリリ、とでも言えばいいのだろうか。
どこか筋が通ったものがあるのを感じる。

根底に流れているものは変わらないけど、
この劇団の“妙”な感じからは目がどうにも離せないものがある。
小劇場でどこまでも突き抜けてほしいと願うばかりだ。

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ところで、年末に予定している藤一平リサイタルとは何だろう…。

藤一平でちょっと調べてみたら・・・
http://www.letre.co.jp/artistfiles/male/fuji/1.htm
なるほど、どこかで見てるなあ、きっと。

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2008年07月28日

7/26 劇評セミナー修了

小劇場演劇などのレビューを主催されているwonderlandにて
4月から月2回行われていた“劇評セミナー”がこの日で修了しました。

劇評で食っていくなんてことは微塵も思ってなく
劇をどういう角度から見るとまた面白いのかという好奇心から
参加したのでした。

blogではテキトーなこと書いてますが、
モノを書いて人に見てもらうという単純なことがどれだけ難しく、
いかにダメのか痛感しました。

自分の言葉として使えるものがひどく少ないこと。
読者へ渡せる情報が少ないこと。
まあ、少ないんです(苦笑)。

講師の岡野宏文さん(「新劇」元編集長)の評は辛口でしたが、
なんであれ見てもらえるという経験は貴重でした。
西村博子さん(アリスフェスティバルプロデューサー、日本近代演劇史研究会代表)も
長い間演劇に関わってるだけあって、
いろいろな視点からご意見いただけました。

ちなみに、百景社「オセロー」の私が書いた劇評ですが、
岡野さんからは読者に混乱をもたらすことが多いと基本的な指摘をうけましたが、
西村さんとしては、様子が伝わってくる、とのことでした。
まあ、赤点前後ってところでしょうか。

最後に、西村さんから受講生に
演劇のチケット(6000円相当)までいただき恐縮。

また次回開講されるときはまた参加できたらなと思います。

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2008年07月25日

5/18 青年団若手自主企画 vol.38『新宿八犬伝 第一巻 -犬の誕生-』@アトリエ春風舎

だいぶ戻って、今年、25本目の観劇。

青年団若手自主企画 『新宿八犬伝 第一巻 -犬の誕生-』
作 川村毅
演出 西村和宏

きちんと見ていたにも関わらず、
捕らえどころのないもどかしさにどこを見たらよかったのだろうか
と悩むこともあります。
お話自体が・・・すみません把握できませんでした。
猥雑な演出をもうちょっと取り除いて、お話を見せてほしかったのですが、
私の見方がよくなかったのかなあ。

現代口語演劇の何たるかを私が理解してるとはいえないけど、
現代口語演劇に片足を突っ込んだまま遠くへ行くには、
こういう形ではないと思う。いや、まあ、なんとなく(すみません)。

私が悪うござんした。たまにはこういうときもあるさ。

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2008年07月24日

7/11 百景社「オセロー」@つくば市豊里ゆかりの森 屋外ステージ

今年35本目に見た演劇。

百景社「オセロー」
原作:W・シェイクスピア
構成・演出:志賀亮史

*以下は週末に行われる劇評セミナーの宿題で書いたものです。
*赤点の原稿だと思ってもらえれば幸いです。
*どれだけ自分の言葉として使えてないものが多いか痛感するばかりです。

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 今回の“オセロー=悲劇”は人の持つ腹黒さに笑った。
それは何処となく複雑な気分ではあるが、
「憎みと悲しみが今回のオセローにあった」というよりも、
人が落ちてゆく様が可笑しくて、
そう思ってしまうこと自体がなんだか悲しいということにも思えてくる。

 百景社はつくばを中止として活動するの劇団で、
今回のステージは“つくば市豊里ゆかりの森”の屋外ステージ。
舞台は、普段なら舞台であろうところに観客席が、
普段は観客席側となるところに、緩やかな斜面になったステージが組まれていた。
ステージ上には穴が5つあり、演劇が始まるとわかるのだが、
その穴から俳優が出入りできるようになっている。

 オセローの部下であるイアーゴーの語りから始まる。
イアーゴーがオセローを憎み、復習を計画する下りを
友人のロダリーゴー(といっても犬の縫いぐるみ)と語る。
やがて登場人物がそろい、イアーゴーの独白のような語り口で
復讐へ手はずが進むのだが、面白くことが運ぶので、
イアーゴーは可笑しくて可笑しくてしょうがない。ただ一人高笑いである。
奸計なんだから、影でひそかに笑っていてもいいものではないか。
そんなに笑ったら計画がばれちゃいますよ、とは言わないけど、
野外のしかも夜に響き渡る笑い、これが逆に孤独さが漂い、
たとえこの先うまくいっても破滅への道が見えてくるだけの
空虚な空間を意識させる感じであった。
それでも、イアーゴーのやってることに
後ろめたさを見ながら同情しかねない気分になる。
それはイアーゴーが落ちてゆく孤独と進み行く復讐のスパイラルである。

 一方のオセローはイアーゴーの奸計により
副官のキャシオーに疑いを募らせていく。
猜疑心の塊となっていくにつれて周りの共演者は、
水鉄砲で水をかけ、バケツで水をぶっ掛けて、
そしてやがてやがてずぶぬれとなったオセローは
衣装を脱ぎ捨てパンツ一丁となる。まるでドリフのコントの様である。
疑いの心にまみれるところが本来悲しいことかな、と思うところだが、
水を浴びせかけ、人を貶める行為に、むしろ滑稽で仕方ないものを感じる。
水にそしてオセロー自身に溺れてゆくのである。
イアーゴーがそれを見て、可笑しくて可笑しくて仕方がなく、
こちらもパンツ一丁で舞台を転がる転がる。
あまりの転がりっぷりに、この孤独な様を誰かなんとかしてやってくれ、
と思いながらも、いいぞイアーゴーもっとやれー、
と自分のどこかで感じているのを否定できずに、
イアーゴーか自分かどちらに笑えばいいのか苦笑するばかりであった。
結局、奸計はイアーゴーの妻によって暴露されるのであるのだが、
それは、イアーゴーのさらなる転落と同時に救いであったのだろうか。
人の企みによる転落から、絶望への転落。この2段落ちが引き立ったのが、
水をかけるという演出であり、イアーゴーの笑いであろう。

 悲劇の原因たる二人の人物を中心に描いた今回のオセローは、
涙ではなく笑いなくして見られない、といったところだろうか。
これは言い過ぎかもしれないが、
人が落ちてゆく様を見るのは悲しいことでもあるだろうが、
このオセローを見ると「ざまあみろ」な気分なのである。
それを嫌味なく見せてくれたという点で非常に面白かったが、
その一方で、そう思ってしまうことへ嫌気も感じさせるだけに、
悲劇の根深さを感じざるを得なかったのであった。

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2008年07月18日

5/17 ブラジル「さよなら また逢う日まで」@アゴラ劇場

だいぶ戻って、今年24本目に見た演劇。

ブラジル 『さよなら また逢う日まで』
脚本・演出:ブラジリィー・アン・山田

強奪計画に失敗した男が刑期を終え、当時の仲間+アルファを集め、
再び強奪計画を立てるのだが…。

新しく加わった仲間に疑心暗鬼なものの、強奪計画は実行へと移される。
実行計画は順調に進んでいるかと思ったのだが、
仲間への疑いが膨らみだし、一人また一人と倒れてゆく…。

伏線の張り方がうまいなあと思うのですが、
科白が長い中で説明されちゃうのがちょっと残念なところかな、と。
それでもハードボイルドは嫌いじゃないし、
シリアスな対決を見せてくれたのがやはり無条件で面白いなあ、と思いました。

ストーリーをじっくりと味あわせてくれるあたりがすばらしいものでした。
常にアジトで展開される会話劇ではあるのですが、
劇でアジトというセットだけでハードボイルドやるのって難しそうだよなあ。
アジトのほかにセットがほしくなるでしょ?
そういう意味でもなかなか楽しめました。

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2008年06月28日

5/12 東京デスロック unlock#LAST/REBIRTH#1 『WALTZ MACBETH』@吉祥寺シアター

かなり戻って、今年、23本目の観劇。

東京デスロック unlock#LAST/REBIRTH#1『WALTZ MACBETH』
原作 シェークスピヤ
翻訳 坪内逍遙
構成・演出 多田淳之介

東京デスロックの出会いは『再生』という劇で、
まだ劇を見始めて10本とかそのくらいでした。
そのときは、途中で帰りたいと強く思ったのだけど、
後ろに演出家の多田さんが座ってるし、混んでるし、
そこで帰る勇気が出ませんでした。
我慢も勉強。言うのはカッコいいけど、ほんと帰りたかった(苦笑)。
これを見て、怒った人もいたらしい。

『再生』は、若者たちが部屋に集い、飲めや歌えやで大騒ぎし、
そして一人一人倒れていく…。
で、それを何事もなかったかのように3回繰り返す。
最後には血を吐いて倒れるのだが、
なんという“繰り返し”だったのだろうか。
最後が変わるから、ただの繰り返しではないのだけど、
その後の東京デスロックに対しては期待はほとんどなく、
“カラッポ”の気持ちで見に行っています。

舞台は正方形の形をし、客席はそれを取り囲む形。
舞台上に特にセットはありません。四隅に赤い液体が入ったワイングラスくらいです。
開演に先立って、演出家の多田さんが『MACBETH』のアラスジを説明してしまいます。
それってどうなの?とは思いましたが、
パンフレットにもアラスジがあるので、とりあえずOKかなあ…。

そして、暗闇の中、
東京デスロックのいつものオープニング
HIGH-LOWS「不死身のエレキマン」にて開演。

暗闇から暗転すると、マクベスが一人、舞台の真ん中に。
マクベス夫人、バンクォー、マクダフ、魔女…
それぞれの役者は椅子をもって舞台に上がって来ます。
マクベスはただその様子をなんとなく不安そうに見つめるだけ。

魔女「きれいはきたない、きたないはきれい」

科白そのものは確かに『MACBETH』です。
椅子に座ったり、倒したり、椅子とりゲームをしたり、
その中で進む会話劇(と言ってしまってよいのか)。

舞台上には確かに役者いて、『MACBETH』やってるなあ、なのですが、
ほとんどセットがない状態で、役者たちは椅子を持ち出している。
その椅子の扱いに、役者たちの心情などを映し出しているとすれば、
確かに見事なのかもしれない。
“セットが先に有りき”という劇からの劇的な解放であるのかな、という気もする。

なにか妙なセットを持ち出して、役者への制限となってしまうよりも、、
今回の演劇が「役者がそこにいること」に対する答えなのかもしれない。

新鮮だけど妙な演劇だな、と思いつつ、
また見に行ってしまうんだろうなあ、東京デスロック。

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2008年06月26日

6/22 ハイバイ「て」@下北沢 駅前劇場

今年、31本目の観劇。

ハイバイ
「て」
作・演出:岩井 秀人

前に見た「おねがい放課後」で、
あの志賀廣太郎さんを高校生役にしてしまったが
あまりにも面白かったので、ちょっと期待して駅前劇場へ。

乱暴にあらすじを書くと…、
とっくに家族崩壊してる家族が
痴呆のおばあちゃんの元に集まって、
再生しようとして結局喧嘩になったりするけど、
ばあちゃんが亡くなって、
みんながばあちゃんを想っていたことがわかり、大団円。
というお話。

見せ方として、1つのストーリーを2つの視点で
2回繰り返して描くという形の演出でした。

一回目では欠けていた部分が二回目では補われる。
正直なところ、今一歩だったなあという感じでした。
というのも、補われる部分というのが
科白の部分に終始してしまっているような感じで、
ストーリー上に新しい発見が観られるわけでもなく、
科白においてブロックの凹凸を組み合わせただけ、という印象。

こう思うからには、私が何か見逃したのかなあとも思っています。
決して、つまらなかったわけではないのですけどね。

古舘寛治さん(青年団・サンプル)の役どころが
奇妙な神父さんというのがなんかもったいない。
あの方は、観客をムカつかせる役どころが一流なので、
それが観たかったなあ。ちょっと残念。

岩井さんがおばさん風の母親役だったのがちょっと謎。

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2008年06月25日

6/21 toi「あゆみ」@アゴラ劇場

今年、30本目の観劇。

toi「あゆみ」
作・演出 柴幸男[青年団演出部]

<『演出』を意識させる演劇>

女優10人による演劇。

感想としては、手法を少し工夫するだけで
ずいぶんと目新しく見えるのだなと感心しました。

舞台はセットはなく、中央に大きな壁があり、
右端と左端から後ろ側に回りこめる形になっていました。

「はじめのい~っぽ」と、赤ん坊が立ち上がる場面から始まりますが、
やがて学生となり、大人となり…ストーリーだけ見ると
たいしたことはありません。
いじめにあったり、先輩に告白しようとしたり、
子供をつれて出かけたり、そんな感じです。

ただ、役者は(基本的に)右から左へと演じて動きながら消えていく。
左に消えてゆくとそれを演じていた“役”は
左から現れる役者に引き継がれる。
と、結構単純なんですが、けっこう見飽きない。

中央にいる役者が左へ消えていった人へ声をかける。
声をかけられた役者は右から出てきたり、なんて事も。

人類が進化していくかのように時間が流れるという感覚があって
単純なんだけど凄く効果的で面白いものでした。
時に走ったりすると、役者が順番に右から左へと駆け抜けていったりもし、
それは空間の制約を解放しているような感じでした。

1時間40分余りの演劇でしたが、1時間を越えたあたりで、
時間が巻き戻るかのように、左から右へと役者が流れ、
場面が過去へ過去へと戻ります。
そして再び、赤ん坊が立ち上がる。

これだけの長いタイムラインを演じるための工夫。
舞台という制約のある空間への挑戦。
それに対する解の一つが今回の演出なのでしょう。

それにしても、右を見たり左を見たりと首が忙しかった(笑)。
ある程度の役が決まっているとはいえ、
役者それぞれが複数の役を受け持ってるはずなので、
役者さんも大変だったのではないかと思います。

ストーリーよりも“演出”を観客に強く意識させる演劇でした。

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2008年06月20日

[劇評?] 5/25 渡辺源四郎商店 『ショウジさんの息子』@アトリエ春風舎

すっとばして、今年、25本目の観劇。

渡辺源四郎商店 『ショウジさんの息子』

作・演出 畑澤聖悟

wonderlandsという
小劇場演劇などのレビューを行っているサイトがあるのですが、
現在、そこで行われている
劇評を書くセミナー「舞台を読む、舞台を書く」
に出ているのですが、そこで劇評を書くという課題があったので、
今回は自分が書いたものを載せることにします。
誤字とかおかしな表現があるかもしれませんが、
提出したものそのままで載せます。

劇評を書くこと自体が目的ではなくて、
また別の角度から劇を見てみたいということで参加したのですが、
いやー、久しぶりに文章書きましたが、つなたくて恥ずかしい(苦笑)。
ちなみに、講師の評価は「あなたは一体どう思ったのか」ということだそうです。
要は、「あなたは面白かったのか、つまらなかったのか」というところが
まったく欠けていたということですかね(汗)。
たしかに、淡々とあらすじを書いて、
客観に徹して自分を殺してるような文章だな、と思います。
そういうことで、恥ずかしながら、続きをどうぞ↓

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「役者から観客へ手渡しで伝わる物語」

 脚本家・演出家の畑澤聖悟が主催する青森を拠点として活動している渡辺源四郎商店。
今回の作品『ショウジさんの息子』は新しい活動の場所として、アトリエ・グリーンパー
クのこけら落とし公演であり、05年初演の『ケンちゃんの贈りもの』をリニューアルした
作品である。
 80歳になるショウジはその娘婿のマサヒコの二人暮し。ショウジの傘寿の誕生日にお
互い贈り物を考えるのだが…。マサヒコがお祝いに買ってきたお寿司とお酒を二人で囲み、
傘寿を祝う。マサヒコの長年の付き添い感謝し、ショウジは養子縁組を持ちかけ、そして
御見合を持ちかける。マサヒコはどうも乗り気でない、それどころか恩をあだで返すよう
に、ショウジにいわゆる老人ホーム行きを勧めてしまうのであった…。
 舞台上で語られる物語は時間軸が大きく変化することがなく、ショウジを祝い、贈り物
をめぐる出来事をうまく切り取ったという形で示される。ストーリーを語る前に人物をじ
っくり語る。そういう意味では、こちらも戸惑いがなく物語をじっくりと見ることができ
た。マサヒコが“記憶が薄れていく病”に罹っていることがだんだんとわかってくるが、
ショウジや周りの人にはなかなか伝わらないことにマサヒコは苦しむ。畑澤聖悟氏扮する
ローカル芸人“マンモス兼平”も、80歳を迎える宮越昭司氏扮するショウジもわかっちゃ
くれない。その苦しみに同情するのはもちろんだが、その一方でマサヒコの苦しみに気付
かない舞台上の役者に観客は苦笑をしてしまう。舞台に対しては観客はどう見ても客観者
ではあるけれど、苦しみと笑いを観客から引き出してその距離を縮め、人物を通じて物語
を感じさせるかのような印象を受けた。
 初演の『ケンちゃんの贈りもの』との違いの一つに、ローカル芸人“マンモス兼平”と
その弟子二人の登場であったが、初演時には無かった笑いがそこにあり、それは“芸人”
という名目の元に、少々作りめいた印象もあったかもしれないが、それが終わりの場面で
観客に涙を誘うことに繋がったのではないだろうか。終わりの場面では、老人ホームへと
旅立ったショウジがすぐに戻り、マサヒコの告白を聴きながら、再び二人でお寿司を囲む
ところで終わるのだが、もうすでにそこに至るまでに観客はすでにマサヒコとショウジの
物語に飲まれてしまったのではないか。観客を物語に引き込むのに目新しい手法ではない
のかもしれないが、物語に無理に欲張ったものはないし、物語─役者─観客というライン
をしっかりと意識した作りには好感が持てた。
 ちなみに舞台上のセットは、壁も台所も冷蔵庫(!?)も板張りで作られていて、今ま
でにないポップな印象を受けてしまった。そのまま青森の風を持ち込もうとしたのだろう
か。初演時にも出演していた実際に80歳を迎えるショウジ役の宮越昭司(劇団雪の会)
さんはしっかりしたセリフに若手の役者とも息がぴったりで、むしろ役を楽しむかのよう
な豊かな演技で、若手にちっとも負けてない。
 渡辺源四郎商店の舞台は、人物を通じたストーリーを語る強さが際立っていると思う。
言葉が悪いが、地味な話を味わうのが好きな人にはお勧めできる劇団だと思う。

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2008年06月17日

5/5 楽塾「全部書き換えたロール・プレイン・ザ・バグ」@space早稲田

今年、22本目の観劇。

作:北村想
演出:流山児祥

楽塾とは、平均年齢56歳の女性だけの劇団です。
・・・ということを当日知ったわけですが、緩めの劇でした。
タイトルに惹かれて見に行ったのでした。

北海道へ向かう飛行機が日本とも思えない「砂漠」に
不時着するところから始まります。
生き残ったのは仲良し仲居さん4人組、殺人犯と護送警官に歌手トリオ、
そしてランドセルを背負った天才小学生にキャビンアテンダント。
やがてここが日本のどこでもないということがわかってきたと思ったら、
道に迷った裸の大将のような宇宙人(流山児祥さん)が出現。
どうやったら元の世界に戻れるのか。
天才少年はゲームを解くように推理を働かせて・・・。

肩に力が入らずに見られたような気がします。
パンフレットに何度も「壊して作り変える」とあるように、
歌あり踊りありの楽しさを練り上げてるような感じが伝わってきて、
見てるこちらも楽しいものでした。
「楽しけりゃいいじゃん」という形も
ほんわか暖かい気持ちになれるすばらしいものだな、と単純に思いました。

やや強面の流山児祥さんが裸の大将同然だったのは
出てきたときに笑いましたね(笑)。

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2008年06月11日

5/3 Oi-SCALE+Hi-Spec(s) 『茶毒蛾無呼吸引金』 @アゴラ劇場

今年、21本目の観劇。

Oi-SCALE+Hi-Spec(s) 『茶毒蛾無呼吸引金』

作・演出 林灰二

函館の町を舞台とした3人兄弟の絆。
まじめな警官の兄をめぐる物語。
東京でヤクザをやってるという噂の一番下の弟が舞い戻ってきた。
真ん中の兄弟は神経質な性格でバイトすら見つけられずにうだつがあがらない。

まったく対照的な性格の3人兄弟の織り成す物語。
月夜のイメージから暗めの舞台設定で、
語りの部分を組み合わせながらの構成。

ストーリーとしては“なんとなく悲劇”と言ってよいかわかりませんが、
終始夜を描くような中で、月夜が不揃いな3人を浮かび上がらせる様子が
どこか3人の繋がりに暗い影を投げかけるような印象を受けました。
不揃いでも切れない縁。

あくまでも兄弟にスポットライトをあてるということでは
語りきれない部分を補う意味で“語りの部分”も効果的で
話が脱線することなく緊張感のある劇だったなあ、と思います。

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2008年05月28日

4/20 とくお組『西洋のレイルボーイズ』@駒場 アゴラ劇場

今年、20本目の観劇。

とくお組 『西洋のレイルボーイズ』
作・演出 徳尾浩司

何年も列車が停まらない駅。
そこで働く駅員を描いた物語。

駅員たちは本の貸し出しやクリーニングの
副業に精を出すばかりで通過する電車を見守るばかり。
ある日、駅長は出世することとなり…。

男ばかりの青春群像。
ということなんですが、なんだか物足りないのは何だろう、
と思ったりしたのですが、作者がパンフレットに書いたように
“甘酸っぱい”要素がないんですよね。
一人女性がいて、その人を中心とした一騒ぎというところが
青春群像の1つの王道であって、
それがないので、かなりシンプルな印象。
ただ、旅立ちを浮き上がらせてみることが出来たということでは
消化しやすい物語だったのかな、と。

もっと汗臭い物語を見てみたいかな、と思いました。

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2008年05月27日

4/19 三条会「邯鄲」@千葉 三条会アトリエ

今年、19本目の観劇。

三条会 アトリエ公演「邯鄲」
原作:三島由紀夫
演出:関美能留

三条会は演出家の関美能留(せき みのる)さんを
中心に千葉市を拠点として活動している劇団です。
現在では多くの劇団が、
“劇作家”と“演出家”を兼ねている状況が多いのですが、
関さんは演出一本でやっています。

三島由紀夫の「近代能楽集」の中の「邯鄲」という作品。
お話は、邯鄲という里から来た“枕”で寝て起きると
何もかも馬鹿らしくなってしまうというお話。

坊ちゃま(次郎)と使用人(菊)の久しぶりの再会。
久しぶりの再会だというのに、
次郎は“枕”のことを菊に問い詰めて、その枕で眠りに付く。
夢の中で、次郎は子供をなくした父となり、社長となり、独裁者となり…。

劇のほうが掴みきれなかったので、原作を読んでみましたが、
あーなるほどなー、と思い返すことが多かったです。
原作を読むことも忘れないようにしないといけませんね。

科白については、ほぼ忠実にやっていたのだろうとは思いますが、
原作が持っている政治的な思想が浮き出る部分は押さえ気味だったのかなと思います。
見たときは、夢の場面と現実の場面が区別が付きにくかったのですが、
よくよく考えると、次郎が“枕”で寝てたか寝てなかったかの違いがあって、
幻影たちの活動も夢の中。
最低限のセットという感じもあって、
退廃的な側面が見え隠れするような中で役者としての強さが
押し出ていたなあ、という気がします。

原作を知らなかったので混乱はしましたが、妙に惹かれるものがあって
三条会の公演はもうちょっと見ておきたいと思いました。

7月に地元の千葉公園で公演『三条会の「真夏の夜の夢」』があるようです。
http://homepage2.nifty.com/sanjokai/02.html


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2008年05月20日

4/13 青年団若手自主企画 vol.36現代口語ミュージカル『御前会議』

ちょっとペースをあげていきましょう。

今年、18本目の観劇。

青年団若手自主企画 vol.36 現代口語ミュージカル『御前会議』

作 平田オリザ
潤色・演出 柴幸男[青年団演出部]

パラパラと会議に集う人たち。
漠然として答えの出ない議題。会議は踊る。
セリフもだんだん踊る。
ポンポンとセリフが飛び交い。たまにラップ調。

“現代口語ミュージカル”と名を打ってのこの公演は
静かな劇からミュージカルへの方向付けの中で
普段の会話との差異を浮き彫りにしながら、
逆向きのベクトルへの“気付き”を提示していたのかな、
と単純なことを考えました。
私が未熟なために、そこに何の批判や意図を
見出すといいのかは考えが及びませんでした。
それでも、アプローチとしては面白かったので、
また別の作品でこういうことをしてほしいなあと思いました。

それにしても、CASTが“山田[五反田団]”となってた
人の形をした縫いぐるみは一体なんだったのだろう…。

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2008年05月13日

4/12 青☆組 vol.8 『うちのだりあの咲いた日に』@駒場アゴラ劇場

今年、17本目の観劇。

青☆組 vol.8 『うちのだりあの咲いた日に』
作・演出:吉田小夏

病床にある御婆ちゃんの家。
家に住む長男(?)と次女。そしてお手伝いさん。
結婚して出て行った一家の長女。
その旦那さんの連れ子は新しい“家族”まだ馴染めないもよう。
お隣さんも含め、飼い犬の命日に集まってきたのであった・・・。

私たち一人一人が帰れるところ・出発するところとしての“家族”。
語弊があるかもしれませんが、社会の小さい単位の中では
“家族を出発して、家族にたどり着く”そしてそれが繰り返されます。
パンフレットでの作者のコメントで
「砂に残した足跡を踏みしめるように」という表現が
的確で上手い表現だな、と思いました。
帰ってきた場所に残る思い出は、
夜明けの彼方にプカプカと浮かび上がり、沈みもしないし消えもしない。
ただ、私たちは目を細くしてゆっくり眺めるだけ・・・。
そこに特別な感傷を持ち込むことなく、
ただ風に吹かれる時間を描いているようでした。

吉田さんは家族を描くものが多いのですが、
どれも暖かくてどこか切ない。
奇を衒うようなところが多い劇が多い中で、
家族ものの劇となると、非常に見ごたえのある劇を書く人だな、
と思いました。

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2008年04月15日

3/30 ピンク『COSMIC LIVE 2008』@アゴラ劇場

今年、16本目の(ダンスだけど)観劇。

ピンク『ピンク祭』

過呼吸乙女ユニット3人組によるダンス公演。

抽象的なようでゆっくりとしたダンスは、
“何を表現しているのか”“何を言いたいのか(感じさせたいのか”
というところで考え込んでしまうけど、
ピンクのダンスはそうではなくて
過呼吸気味になるほど躍動感のあるダンスでした。

セリフはもちろんないけど、
どこか子供の喧嘩のようなふざけた場面も
いちいち力が入る部分も
清々しいほど馬鹿らしいものです。

単純明快に近いダンスですが、
意外にあまり他には見つからないんだよなぁ・・・
1時間と短い時間でしたが、
久しぶりに体育会系のダンスを気分よく見られました。

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2008年04月09日

3/20 某劇@某場所

今年、15本目の観劇。

劇を沢山見ていても、全部あたりということはもちろんなくて、
たまにどうにも好みに合わないものがあるのは仕方がないものです。

今回の演劇は、“不思議の国のアリス”をモチーフにした劇のようで、
映画仕立ての映像と交互に進行していく仕掛けでした。

映画仕立ての映像はなかなかよく出来ていて
シリアルなストーリー作りに引き込まれるものがあったのですが、
演劇パートの(ある種コミカルで)摩訶不思議な演出との
落差が違和感になるだけで、ついて行けなかったのでした。

好みに合わない劇団の人がいるし、
期待はしていなかったけど、案の定好みに合わず。

どこかよかったところでもなかろうかと思いましたが、
“映像の作りがまあよかったな”ということで。

以前、某演出家さんは、
「お客さんを寝させる(飽きさせる)のは、演出家の負け」
と言ってましたが、
失礼を承知でも、素直に寝てればよかったかもしれません。
逆に言うと、何処か見所をつかみ損ねたのかもしれませんね。

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2008年04月04日

3/16 五反田団第35回公演『偉大なる生活の冒険』@アゴラ劇場

今年、14本目の観劇。

五反田団第35回公演『偉大なる生活の冒険』@アゴラ劇場

五反田団は
小説「グレート生活アドベンチャー」で芥川賞候補となり、
五反田団+演劇計画2007『生きてるものはいないのか』で
第52回 岸田國士戯曲賞を受賞した前田司郎さん率いる劇団です。

親近感の持てる劇が多く、毎回ほぼ満員になる人気の劇団です。
しかも、今回は前田さんの岸田國士戯曲賞受賞後の第一作となっており、
アゴラ劇場にあんなに人が入るのかと思ったくらい、
今までにない超満員でした。

『生きてるものはいないのか』では、
舞台上に累々と死体が増えてゆくという
なんともシュールでありながら、役者に死体を演じさせるという劇でした。
普通なら死んでしまったら舞台から退場なんですが、
長い人は1時間以上そのまま(笑)という、
大変印象残った面白い劇でした。

今回は芥川賞候補となった「グレート生活アドベンチャー」の
舞台版みたいなものだそうです。

ニートで元彼女の家に居候する、なんともだらしない青年。
最後まで“なんとかなるさ”という態度のままで進行します。

そのニートを演じるのが前田氏。
一見すると、素の前田さんじゃないかと思ってしまうくらい、
ほんとによくある場面をそのまま持ってきた感じ。

普通にある日常生活を切り取って舞台に持ってくることは
簡単なのかそうでないのかわかりませんが、
飽きさせない、引き付けるだけの力があり、
興ざめしてしまうような無駄な脚色が一切ない、と思いました。

五反田団の劇、すべてが当たりというわけではないですが、
どの劇も観客を捕まえるポイントがあって、
豪華ではないけど、庶民派っぽい感じがいいよなあ
と思っています。

また次回も楽しみにしたいと思います。
それにしても席が狭かった(苦笑)。
(でも、チケットはとても安くていいです。)

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2008年03月28日

3/2 FUKAIPRODUCE羽衣「宿題と遠吠え」@アゴラ劇場

今年、13本目の観劇。

FUKAIPRODUCE羽衣「宿題と遠吠え」

ミュージカルならぬ、ミョージカル。

場末の繁華街、男と女。
基本的に下(シモ)な方向性ではあるけれど、
妙な歌や妙な演出は個性的でパワーがある。

前作は3時間くらいあって、パワーを受け止めきれず^^;
今回は2時間で堪能できたような気がします。

写真とか見るとホラーチックな感じもしますが、
実際はコミカルで雰囲気にのまれちまいます。

でも、大げさなエンターテインメントという気はしないのはなぜだろうか。
素の等身大のエネルギーが伝わってくるのでしょうか。
どこか馬鹿馬鹿しくも、すっきりとした気分で見れる作品。
もっと面白くなるんじゃないかと思います。
次回作も楽しみにしたいと思います。

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2008年03月19日

3/1 劇団山の手事情社 2007年度研修プログラム修了公演「こんな奴ら。」@アトリエ春風舎

今年、12本目の観劇。

劇団山の手事情社 2007年度研修プログラム修了公演『こんな奴ら。』

2007年度の山の手事情社の研修生による公演。

山の手事情社ってよく聞くけど、見るのは初めてです。
人気劇団とあって、お客の多いこと多いこと。

寸劇・ショートゲーム的なもの・ものまねなどの構成からなる舞台。
“構成演劇”と呼ぶものだそうです。

とにかく表情豊かであることが第一印象でした。
現実の表情を大げさにデフォルメしているといってしまうと簡単かもしれませんが、
この人たちの「伝えたい」という気持ちはストレートに受け止めたい、
そんな好感を持ちました。

“現実的”ではないかもしれないけど、“エンターテインメント”では決してない。
大げさになり過ぎないし、変にコテコテな脚色もないから、
演じてる『奴ら』は馬鹿みたいに演劇がすきなんだな、
と単純に感じました。
“人がそこで演じている”という存在感に感服です。

本公演も一度見てみたいものです。

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2008年02月27日

2/23(土) e.g.MILK 「ふと透明」@アトリエ春風舎

今年、10本目の観劇。

e.g.MILK 「ふと透明」@アトリエ春風舎


ふと透明になりたい。
水中で目を瞑ってプカプカ浮いていたい。
でも、人間であることをやめられない。

憧れをやめられない宿命。
そんなもどかしさをパフォーマンスで表現するとこんなかんじなのでしょうか。

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2008年01月20日

1/19 青年団プロジェクト公演 「隣にいても一人」@駒場アゴラ劇場

1/17~1/27の間にアゴラ劇場で行われる

青年団プロジェクト公演 「隣にいても一人」

を見てきました。

「隣にいても一人」
作・演出:平田オリザ

今回は、三重、広島、青森、熊本の4都市でオーディションを開催があって、
青年団と現地の演劇人のコラボレートによる現地での公演を経て、
その公演たちが駒場アゴラ劇場へ集結しました。

青森編・帯広編・盛岡編・三重編・広島編・熊本編・関西編・大阪編
の8つがあり、見比べると面白いかと思います。

65分くらいの短い不条理劇でなかなか面白いので
観劇したことのない人にもお勧めできます。
2000円と手ごろなのですが、盛況なようなので、
行くなら劇場に確認をとったほうがいいかもしれません。

この日は、広島編・帯広編・青森編の3本を見てきました。
(他の公演は残念ながら見に行けないのですが・・・)

以下、ごく簡単にストーリーに触れます。

ある日、朝起きると、“夫婦になっていた”(と認識した)昇平とすみえ。
電話を受けた、昇平の兄、義男がやってくるが、
二人の主張の「なんだかわからないけど、起きたら夫婦になってた」
という主張に混乱するばかりで・・・。

広島編・帯広編・青森編の順に見ましたが、青森編の津軽弁は強烈でした。
広島編・帯広編を見た後だったので、科白の意味がわかっていましたが、
はじめに見たら、多分、わからなかっただろうと思います。
また、渡辺源四郎商店の店主でもある
畑澤聖悟さんのスキンヘッド姿の強面な義男役が、
怖いときとコミカルなときの差異がすごくて笑いましたね。

帯広編は、龍昇企画の龍昇さんが義男を演じていましたが、
役への溶け込み方が他の方よりも一枚上手な感じで、
“どこか下手で不器用な人間”を上手く演じてる感じでした。
最後の拍手が長かったですね。

広島編でも義男役の方の個性がありましたが、この劇は義男役が肝ですね。

青年団の永井さんが義男を演じる関西編、
同じく青年団の角舘さんがすみえを演じる盛岡編も見たかったなあ。

ほんとに、初めての方にもお勧めできる劇なので時間があればどうぞ!

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2007年07月22日

5/6 青年団若手自主企画Vol.32『Unit』@アトリエ春風舎

2007年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その5。

青年団若手自主企画Vol.32『Unit』
作 鈴木大介(サラダボール)/ 西村和宏
演出 西村和宏

場所は教団の地下室。
でも、そこにいる人たちはあるはずの教えもぐだぐだに、ただ人間くさい、そんなお話。

ひとりの女性が要領を得ないまま、教団へやってきた。
その人にとっては、教団の規律なんか知ったこっちゃない、
そこにある教団に大切なものも知ったこっちゃない。

要するに、ちょっとしたドタバタ劇ではあるのですが、
教団の人も、そうでない人も機械ではない。
どこかほじくりかえせば、弱さも強さも人間であるところを露呈する。
そんなクサイ所をばからしくも浮かびあがらせたい、と
そんな気持ちが伝わってくるような感じでした。

コメディとは言わないけど、ちょっとくだらないお話。
でも、ゆるさの中に人々は同じ土俵に並んでいるのところが
透けて見えるよう、そんなお話でした。

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2007年07月10日

4/22・5/5 青年団 第53回公演『東京ノート』@アゴラ劇場

2007年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その3,4。

「東京ノート」
作・演出 平田オリザ

1994年初演、1995年第39回岸田國士戯曲賞受賞作品。

ヨーロッパの戦争の余波を受け、東京の美術館へと芸術作品が避難してくる。
実際の戦争からは遠い地のこの美術館を訪れる人々にも戦争の影を投げかける。

美術館を訪れる人々には、
美術好きの姉の上京に応じて集まる兄弟たち、
遺品の絵画を寄付にやってきた人、偶然再会した家庭教師と教え子。

戦争とは一見無関係であっても、彼らの生活の隙間に入り込んで、
戦争への“意識”“無意識”を呼び起こしている。

・・・・・
多少の例外があるとして、
本来、演劇は中心となる場面は一箇所がほとんどです。
日常の場面においては、客観的な視点から見れば、
スポットライトを当てるのは観客自身の視点であり、
演出の理屈で
“一箇所にスポットライトを当てればよい、”
という考えは演出側と観客側の関係の中で
フェアであるか、言いかえれば、観客が演出に従う形になっていないか、
本来なら疑問になるところではないでしょうか。

青年団・平田オリザ氏が出演する、
同時多発的な場面・会話(2,3箇所以上で同時に進行する会話など)が
観客にスポットライトを当てる権利を与えられるのが
この青年団「東京ノート」の特徴だと思います。

実際には、客席によってある程度スポットライトを当てるべき場所が限られるのですが、
今年度のアゴラの会員制度は“1つの公演に何回も見てよい”と変更になったので、
違う席で2回見させていただきました。

同じ劇なのですが、注目しているところが変わってくるので
単純に2度楽しめた感じがします。
同時に2箇所で場面・会話が展開することが多かったのですが、
その2箇所の間に漂う空気に潜む緊張した感じが印象的です。

リアリティとしては申し分ないものだと思います。
また機会があればぜひ見てみたいと思います。

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2007年06月27日

4/7 青年団リンク うさぎ庵「チチキトク サクラサク」@アトリエ春風

2007年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その1。



青年団リンク うさぎ庵『チチキトク サクラサク』

作・演出 工藤千夏

父に会いたい娘と娘に会えない父親。

タクシー運転手役に大塚洋さん。
父に会えない娘に森内美由紀さん。

タイトルを見るとどこか重そうな印象はありましたが、
そんなことはありませんでした。

森内さんがいつもは芯の強そうな役であるところが
今回はちょっとオーバーに化粧したホステス役というがちょっと驚きの舞台。

都内の繁華街でタクシーを拾うところから物語が始まるのですが、
ホステスの「下北に行ってほしい」という願いに
どこか戸惑いを見せながらも応じるタクシー運転手。

主な場面はタクシー内での会話という進行ではありますが、
お互いに半信半疑な気持ちを象徴するかのような
一見してケバケバしい照明を使いながら
テンポよく見せていたと思います。
ストーリーの深さはないかもしれませんが、
ストーリーと演出の釣り合いのいい関係を見たような気がします。

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2007年06月09日

4/8 Chants d'Adieu 別れの唄 @シアタートラム

2007年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その2。

青年団国際演劇交流プロジェクト2007 [ 日仏合同公演 ]
Chants d'Adieu 別れの唄 @シアタートラム
http://www.komaba-agora.com/line_up/2007_04/wakarenouta.html

作 平田オリザ
演出 ロラン・グットマン

平田氏がフランスのフランスの国立演劇センターの依頼で作った新作。
フランスで30ステージほどの上演を経て、日本での公演となりました。


フランス人の妻を亡くしたばかりの男。
そこに集まるのは、友人、フランスから飛んできた妻の両親や前夫。
ほんとうは悲しむべき場面のはずなのに、
フランスと日本の文化・人の気質の違いで、どこか擦れ違ってしまう。
単純に言ってしまえば、平田オリザ流のコメディです。

分かり合えそうにない、共有できそうにないと思っても、そこは人間だ。
話の下敷きになるものが“妻の死”であるけれども、
どこか同じものを向いて奮闘する。
それはこういう場面であっても、
どこかコミカルに映り、なんだか微笑ましい感じのものでした。

葬儀屋役の山内さん、日本人同士の会話は日本語であるけれど
会話のほとんどであるフランス人←→日本人の会話は
フランス語で、日本語字幕付です。
(フランスでは日本語に対する字幕はないそうです。)

フランス人←→日本人
という関係が、どこかこっけいでありながらも
リアルに描けてるように感じるのはさすがといったところでしょうか。

フランス人の発想、日本人の発想、その擦れ違い。
何回も繰り返し見ることによって、新しい発見がありそうなそんな劇です。

千秋楽ということもありましたが、
最後は拍手が鳴り止みませんでした。

この公演のあとはフランスへ凱旋となりますが、
また再び日本で上演されることを願っています。
是非、また見てみたいものです。

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2007年06月05日

3/31 蜻蛉玉『頂戴』@駒場アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その46。

http://www.komaba-agora.com/line_up/2007_03/tonbodama.html


作・演出 島林 愛

『マトリョーシカの鞦韆(ふらここ)』で
第12回公演劇作家協会新人戯曲賞、優秀賞を受賞した島林さんの新作。

前説に現れた島林さんですが、
なんだかやたらとしゃべるなあーと思っていたら、
短パンになって、ランドセルを背負って…
…小学生へ変身して舞台は始まったのでした。

2つの時間軸を自在に織り込みながらリズミカルに
進んでいく様は観客を飽きさせないという点では非常にうまいと思います。
ただ、その一方でストーリーについて行けなかったなあ、
というのが個人的な感想です。d
演劇を見慣れている人にとっては面白く映るのではないかと思うのですが、
私は未熟者なのであと2回見てみたいと思いました(^^;


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2007年06月02日

3/24 スロウライダー 第9回公演「Adam:ski」@三鷹市芸術文化センター星のホール

三鷹までスロウライダー第9回公演「Adam:ski」を見てきました。

http://www.slowrider.net/

この劇団の特徴はなんといっても「ホラー」。

ある民俗学者がなくなった後、
残った弟子たちは「先生」の自伝を出版しようとするのだが、
弟子たちの「先生」に関する証言はことごとく食い違い
混乱へ落ちてゆく。。。

行方の知れない弟子たちの中で、
唯一行方のわかった弟子の一人が取材に答える形で話は進んでゆきます。
メインステージと奥のほうに高い小さいステージを作り、
その小さいステージでその唯一行方のわかった弟子が語る、
という舞台設定になっています。

ホラーを見せる、となると
“どこかで白けさせない”緊張感の持続が大切なんだろうなあ、
と舞台を見ていて思いました。
どこかで余計な笑いもいらない、
見ている側を少しずつ引き込んでゆく…。
見ている側に緊張感を強いるとも言えるかもしれませんが、
どの場面においても手綱を緩めずに、
見ている側をよく引きつけていたという感じがします。
どこかでダラダラとした場面もなく、
そこで最後の落ちが見事に決まってるなあ、と思います。
落ちとしてはありきたりだとは思うんですけどね、
それでも見事に落とせるのはストーリーだったり、
演出だったりするのでしょうね。

この劇団の次回公演も楽しみにしたいと思います。

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2007年06月01日

3/21 五反田団第34回公演『いやむしろわすれて草』@駒場アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その45。

五反田団第34回公演『いやむしろわすれて草』


作・演出 前田司郎

五反田団は身近に感じる存在だなと思います。
料金が安い(これまではいつも1500円)というのもあるし、
扱うお話も決して庶民的なお話というわけでもないけれど、
どこか隙間隙間に、身近な幸福や人間の素朴な悲哀が
見えるような気がします。

ちょっとわかりづらいところがあったと思いますが、
でも身近さは遠くにあるというわけではない。
沢山のお客が入る理由が隠れて見える感じがします。


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2007年04月18日

3/16 田上パル『師走やぶれかぶれ』@アトリエ春風舎

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その44。


田上パル『師走やぶれかぶれ』

作・演出 田上 豊

九州男児の熱い青春活劇。
大晦日、年越しが差し迫った中、
年明けの試験に合格しないと落第してしまうという二人の高校生。
なんとか同級生に助けを求めようとするのだが。。。

前回と同じくアクションを含みながらの高校生の青臭いコメディ。
時代背景があるわけでもないですし、
伏線を張るようなものでもありません。
下手すれば、学芸会のようにもなってしまうのでは、という気も
するのですが、そう感じさせないのは上手いといったところでしょうか。

さっぱりしていて、深みがないということも言えるかもしれませんが、
こういう世代にありがちな“なんとなく大団円”で納まるところは
うまく描けてるのはないかなと思います。
テーマ性を求めたり背景を重視しない人なら、
こういう劇はいいのではないかと思います。
妙な伏線を張ったり、演出をひね過ぎてる劇が多い中で、
すっきりと好感が持てます。

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2007年04月17日

3/4 FUKAIPRODUCE羽衣『あのひとたちのリサイタル』@駒場アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その43。

FUKAIPRODUCE羽衣『あのひとたちのリサイタル』
作・演出 糸井幸之介

“奇妙なミュージカル”=“ミョージカル”という世界。
明るく踊りたくなるようなミュージカルを
猥雑なものでこてこてを塗りたくるとこうなる、といった感じでしょうか。
語弊があるかもしれませんが、
寺山修二氏の作品類から毒気を抜いて、
もの悲しさをブレンドしたようなステージだったと思います。

ノリは悪くないのですが、
この世界観で2時間という尺はちょっと長くないかなと(^^;
出演者たちには“達成感”があると感じるのですが、
そのころにはこちらは“疲労感”が出てしまう感じでした。
屈託のないわかりやすさを持ってしまうと“ミョージカル”ではない、か。なんて。

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2007年04月12日

3/3 青年団リンク 東京デスロック『東京デスロックのアトリエ公演 unlock#1』@アトリエ春風舎

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その42。

青年団リンク 東京デスロック『東京デスロックのアトリエ公演 unlock#1』
作・演出 多田淳之介

前回、題名を忘れましたが、
30分経過した時点で「帰りたい」と強く願った
東京デスロックの公演であります。
そのときは「これは罠か?」と本気で考えつつも、
真後ろに座っていたのが演出家でもある多田さんだったので、
かえるに帰れなかったのでした。。。

なぜ帰りたかったかというと実験的過ぎて
ついてゆけなかったからであります。
(それは上記のページのプロフィールを見るとわかります)

今回は、セリフにも英語を取り入れたり
wiiで遊ぶは煙は焚くわで、今回も実験的ではありましたが、
「創作の場であるアトリエを見せる」というコンセプトで
“ISP”とは何であるか(?)をネタに創作は進んでいきました。
#“ISP”とは、
#インターネットサービスプロバイダーであり、
#池袋ショッピングパークであり、
#池袋サファリパーク(謎)でもあると。

実験的な部分が多い(多すぎる)ことに対しては
賛否があると思うのですが、
「アトリエを見せる」というコンセプトであるなら納得がいく範囲かと思います。
ただ、何かを期待してくると“期待はずれ”になりかねない危うさを
持ち合わせてしまっているような気もします。
私は前回やられてしまったので、何も期待せずにやってきましたが。

アフタートークは、普段は裏方でもある
青年団演出家たちによるものでしたが、
青年団の姿が浮き彫りになるようでした。
なんでも演出家が10人以上新しく入ったとか。

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2007年04月01日

2/22 劇団SKグループ『B計画』@駒場アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その41。

劇団SKグループ『B計画』
作・演出 すがの公

“「芝居は見世物」という単純な視点を心がけ”というお芝居は、
悪く言ってしまえば、学芸会に近くなってしまうかもしれません

「見世物」に拘るなら、わかりにくいストーリーはさけるべきじゃないかな、
とも思うのですが、そこが“学芸会”とはずっと違うものを見せたいという
劇団(演出家?)の姿勢かも知れません。

面白いところもあったようですが(私は笑いませんでしたが)
コメディでもないし、なんだか中途半端な印象でした。

単純に私のツボにはまらなかったというのが正解だと思いますが、
よくある立ち回りと台詞を少し誇張した感じからすると
コメディに徹するか、時代劇風な作品なら面白いかなあ、と。

と思ったら、次回公演は時代劇みたいです。
何か一方向に突き抜けるものでもあれば面白い劇団になると思います。

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2007年03月31日

2/18 青年団第52回公演『ソウル市民 昭和望郷編』@富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ マルチホール

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その40。

青年団第52回公演『ソウル市民 昭和望郷編』
作・出演 平田オリザ

12月に吉祥寺シアターであった“ソウル市民3部作”の3作目ですが
再演ということで、もう一度見てきました。

植民地支配下のソウルにて、文具商を営む日本人一家。
古い商売も崩壊の兆しが見える中で、
その一家に絡む朝鮮人のお手伝いやエリートたち。

無意識の悪意は滞留しながらも決して根付くわけではなく、
なにとはなしにほんの一瞬気まずい空気を生み出すさまは
写実的な印象で実際の空気感をもってきているような感じです。

エンターテインメントの対極で“楽しむ”ものではありませんが、
青年団が持つ空気感はすばらしいなあ、と思います。

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2007年03月30日

2/18 Co.うつくしい雪『garden AGORA 2007』@駒場アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その39。

Co.うつくしい雪『garden AGORA 2007』
振付・構成 河村美雪

演出(?)としてはいまいちだったかも知れませんが、
企画としては好感の持てるものでした。

会場入りすると、2つのスクリーンがどーんと。
これは劇なのか?ダンスなのか?

ところがそうではなくて、
古くギリシャ(?)のシンポジウムを表現しようとしていたのでした。

スクリーンの左は主にインタビュー映像や呼びかけるメッセージ(質問)があり、
それに対する回答をメッセージカードを持った出演者が次々と読みあげてゆきます。
ときにはメッセージカードを観客に読ませてみたり。
スクリーンの左は2階に座っている出演者2人が
なにやらチャットをしているという形に。

途中、クラシックのような歌を歌う人がありながらも、
映像を通じて観客へメッセージを呼びかけます。

後半は出演者たちが飲み物を配りながら
「何かいい出会いはありましたか?」と観客に質問しながら歩くのですが、
なんか思ったような回答がないようで
盛り上がりに欠けてしまったのは正直なところかと思います。
少々質問を絞り込んでディスカッションを狙ってみるのも
ひとつの手段になったのではないでしょうか。

シンポジウムという狙いに対してには、
“出演者”と“観客”と分けられてしまってはいることが
時間の制約を考えるとちょっと厳しいものがあり、
もっと意図を明示する方向性
(観客の配置や演出の工夫、もっとやるなら事前予告)
が必要だったのではないかと思います。

中途半端な印象は否めなかったのですが、
やってること自体は好感が持てるもので、また企画してほしいものです。

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2007年03月29日

2/10 ちくは『ダンス・パタン・ランゲージ』@駒場アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その38。

ちくは『ダンス・パタン・ランゲージ』
振付・構成 ちくは

立て続けにダンス公演が続いているようなこのごろ。
何を理解すべきなのか、難しくて。

入場の時点で変わっていて、
あごらのステージで白い大きな風船ドームを壁にくっつくまで
膨らませてあるその中に客席があるものでした。

いつものアゴラのステージがとても明るく見えます。

ダンスの感想はやっぱりわかんないです(苦笑)。
ただ、ステージの作りにも見られる工夫と同じように
実験的な感じではありました。

あと、最後にお菓子を配ってくれたのがうれしかったかな、と(そこかい!)

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2007年03月20日

2/4 青年団リンク サンプル『シフト』@アトリエ春風舎

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その37。

青年団リンク サンプル『シフト』
作・演出 松井周


結婚して、嫁の住む謎の村へやってきた男。
その村の住民はどこか主体性を欠いたものに
取り付かれた感じで、それになじめない男。

なんというか、難しいと断言しにくいけど
わかりにくい物語だったような気がします。
謎の風習に惑わされながらも、取り込まれる男。

それにしても、古舘寛治さんが演じる役柄は毎回感心させられます。
人をムカつかせる役をやらせると一流としかいえません(苦笑)。
前回はほんとムカついたものでした(でも普段は人当たりがよさそうな人に見えます)。

わかりにくかったな、で終わってしまうのは私自身ちょっと悲しい。

P.S. 古舘さん(メガネをしたヒゲの人)が出演してるNOVAのCMはすばらしいです。
   古舘さんの演技が非常に活きていると思います。

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2007年03月06日

2/3 神村恵カンパニー『山脈』@こまばアゴラ劇場

2006年度の駒場
アゴラ劇場
支援会員制度を利用してみてまいりました。その36。

神村恵カンパニー『山脈』
振付・構成 神村 恵

人の動きを分解して、少し再構成するとこんな感じなのかも。

女性5名のシンプルな身体表現。

人の周りを走り回る。
人が寝そべっているのをわたって行く。
寝そべったままジタバタして進んだり。
馬飛びじゃないけど、人が寝そべっているところを
順番に渡っていったり。

何かを目指して複雑になるより、かなりシンプル。
でも、そのシンプルなものを
ハッキリと明示させるかのようなものは
見ていてもあきないものでした。

一部、即興にも見えましたが、印象はよかったです。
深く掘り下げないけど、輪郭はハッキリと。そんな感じでした。

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2007年01月23日

1/13 大橋可也&ダンサーズ『クロージャーズ』@アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その35。

http://www.komaba-agora.com/line_up/2007_01/ohashi_dancers.html
振付 大橋可也

ハードコアダンスを提唱し、
過去にコンテストで出演者が全裸になったことで
非公開審査となったことがあるという。。。

若干、下ネタ(いや、芸術?)ありで。

ダンスが表現するものを解釈するとまではいわないまでも
何かを感じ取るのはそう簡単ではないことだな、というのが
見た後の簡単な感想です。

5人の出演者が題名にある『クロージャーズ』を意識しての
“閉じている”ことを意識するような堅い動き、
壊れた機械が一生懸命正常に戻ろうとするが
どうしても戻ることができない動き、そんな感じ。
それがだんだんと開いてゆくことを表現したかったのでしょうか。

私にとっては、出演している人たちの間に
なんらかの規則性を見出そうと思ったのですが、
あまりにも見えないので途中であきらめました。
どうも私の好みには合わないものであるらしい、と。

後半、出演者(男)の方が、
ズボンを脱いだ・・
あれ、シャツを脱ぎましたよ・・
靴下を脱ぎましたよ・・・
・・・裸族、ここに現る!

で、ダンスというよりもパフォーマンスは続くのですが、
首を激しくふったり、腕立ての格好をすると、、、
最下段最前列の人の女性の方々が吹き出しております。
そりゃなあ、しょうがないじゃん、揺れるだろうよ(苦笑)。

まあ、そんなこんなで、出演者が一人一人舞台を去っていって
裸族の方が残るのですが、最後にボソッと「終わりです」とつぶやいて
終わったのはある意味吹き出してしまいました。
うーん、そこは静かに舞台を去ってゆくべきだったのではないかなあ。。。

どこを見るべきものであったのか、
を考えると難しくて悩んでしまうものでした。

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2007年01月18日

1/6 バズノーツ「バズノーツのマクベスPPR」@駒場アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その34。

http://www.komaba-agora.com/line_up/2006_12/buzznauts.html
原作: W・シェイクスピア『マクベス』
翻案・演出: 増田 理

新年はじめから、“これはやられた”感が大きかった劇でした。

開場してから、パンフレットを斜め読みして、
そこに挟まっている一枚の紙に「お詫び」という文字が。

なんでも、体調不良で役者が降板してしまったようで、
その数 23名中19人の降板。。。

「えっ?それで劇演じることできるの?」と思ったのは言うまでもないのですが。。。
よくみると、パンフレットに記載されている出演者23名中、
5番目の人からあとの人全てが降板になってる。。。

うーん、これはおかしい。
劇団で何か紛糾して大量降板になったのかなあ、とか
わざわざパンフレットに降板する人を記載することないよなあ、とか
降板した人の所属してる劇団名はぜんぜん知らないなあ、とか。

中に入ると、4人の役者が舞台の壁にもたれ掛かって
なんだかダルそうな感じです。
各役者の上には吊るされた紙と“役者の名前”が。

会場内を案内している人(制作の人?)も
なんだかおどおどしながら案内をしています。
案内しながら飴を配ってますが、こぼしたり(でもこれも演技だとあとでわかります)。

そんなこんなで始まったわけですが・・・
それぞれの役者は頭上の紙を一枚破るとそこに“役の名前”が。

お話自体は語りませんが、
役者はときには戸惑った表情を浮かべながらその役を演じます。
ときには、案内をしていた人に「次は○○さんですよ」と促される始末。



いや、促され促すという演出。
場面が変わるたびに、それぞれの役者は紙を一枚めくり
そこに書いてある役を演じます。
同じ役でも、場面によっては別の人が演じたり、
同じ場面を役を入れ替えることによって繰り返したり・・・。

いわゆる“劇中劇”であるということに気づかされたのは
半分をすぎたあたりでしょうか。

いやー、やられましたね。
完全に演出の勝ちであり、観客は戸惑いの中へ飲み込まれてしまいました。
混乱をもたらすことはもちろんですが、
それ以上に今までにない面白さを感じました。非常に面白かったです。
初めてもう一度みようかなと思ったくらいです。
機会があれば是非もう一度。

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2006年12月19日

12/16 青年団第52回公演 ソウル市民三部作@吉祥寺シアター

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その21~30は飛ばして、その31/32/33。

「ソウル市民」「ソウル市民1919」
「ソウル市民 昭和望郷編」

作・演出:平田オリザ

日本の植民地支配下にあったソウルの日本人一家を描いた物語。
「ソウル市民」- 1909年
「ソウル市民1919」- 1919年
「ソウル市民 昭和望郷編」- 1929年
ソウルに住む篠崎家の1909/1919/1929年の物語を描いた3部作です。

1909年、「韓国併合」を翌年に控えた前年から物語は始まります。
戦争などの戦いを描いたものではなく、
ソウルに住み文房具店を経営する一家を描くことにより、
この時代の“根”を暗示するかのような感じでした。
一家には日本人はもちろんのこと、朝鮮人女中もいます。
“支配するもの”“支配されるもの”といったあからさまな関係はなく、
むしろ‘表面上は’陽気な場面もある物語でした。

ところがそうであっても、不安定な関係が両者の間に確かに存在し、
それを意識させる科白が何気なく発せられるたびに、
ほんの少し戸惑いが漂うような雰囲気でした。
勧善懲悪とは対極をいくような素朴さではありますが、
埋められないもの/解けないものが常に存在するような印象でした。

日常をそのまま切り取ったかのような印象は素朴ではありますが、
見ごたえ充分でした。

パンフレットもよく出来ていて、時代背景や平田さんの考えが
わかりやすくて、なかなか読みごたえもありました。

「ソウル市民 昭和望郷編」は2月に再演されるので、
もう一度観ようと思います。

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2006年09月15日

9/2 TPS「北緯43°のワーニャ」@アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その20。

TPS「北緯43°のワーニャ」
作:アントン・チェーホフ 
翻訳:神西清 
構成・演出:斎藤歩

チューホフの「ワーニャ伯父さん」が元のお話。

文学オタク(?)のセレブリャコーフ。
ワーニャ伯父さん。伯父さんの妹。
セレブリャコーフに使える使用人。かかりつけの医師。
そして、美貌あふれるセレブリャコーフの妻エレーナ。

ストーリーは、
セレブリャコーフを世話するワーニャ伯父さん&妹etc.
エレーナに引かれてゆくワーニャ伯父さん&医師。
トラブルが起きないわけがありません(以下、省略(ぉぃ))

私はチューホフの劇を見るのが
初めてでよくわからなかったのですが、
知ってる人が見ると所々面白いようですね。
って、九州の地図を指して「アフリカ」とは分かりやすいですが(苦笑)。

生活感あふれる感じの劇は
親しみやすい一方で、ストーリーに入りにくい印象があるのですが、
そこは、名うての役者たちの演技力なのかなあ、と。
また、ところどころ、
ラッパやらバイオリンの素人臭い演奏が
(実際にも、素人なんじゃないかなと思えるものです)
やけに庶民じみたところを感じました。
2時間半という長丁場でしたが、
このおかげで間延びした印象もありませんでした。

チューホフをもっと知っていたら、
もっと面白く感じられるかなあ、といったところで。

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2006年09月07日

8/26 いいむろなおきマイムカンパニー『contact』@アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その19。

いいむろなおきマイムカンパニー『contact』
作・演出 いいむろなおき


パントマイムとは何が違うのか?
パントって何?
マイムって何?

そんな人間がマイムを見てきました。

人ごみの交差点、みんな人を探してる。
一人、また一人と見つけては舞台から消えてゆく。
そして、残った二人。
お互いを見つけて、手を伸ばす。
しかし、その手はすれ違う。
そんなスローモーションの場面から始まります。

人と人コミュニケーションの中で
かみ合わない違和感を感じているところが出発点のようです。

全体を通して、滑稽なものというのは特にありませんでした。
パントマイムの定番ともいえる、“四方の壁”。
でも、それは滑稽なものを演じるためのものではなく、
なぜそこに壁があるのか、やぶれない壁なのか、
という疑問提示のようなものでした。

面白く感じるものもありましたが、決して滑稽なものではなく、
6人が生み出すリズム感はダンスに近いんじゃないかな、
とも思えるものがありました。
どこかじわっとくる温かさを感じるのもまたよかったです。

いつか、泣けるような感動を与えてくれるマイムを
やってくれるのではないかと感じました。
またどこかで観てみたいものです。

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2006年07月30日

7/15 青年団若手自主企画vol.29『会議』 @アトリエ春風舎

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その17。

青年団若手自主企画vol.29『会議』
作:別役実
翻案・演出:武藤真弓(青年団演出部)

うーん、1/3くらい眠ってしまったなあ(爆)。

なんだか分からないままに集まった人の
人の会議本能をくすぐるというお話ではあるのですが、
ちょっとわかりずらかったです。

・・・でもちょっと寝てしまったからなあ。
反省。感想になってない(苦笑)。

投稿者 i_rain : 21:58 | トラックバック

2006年07月15日

7/2 ショウデザイン舎『嘘・夢・花の物語』@アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その15。

ショウデザイン舎『嘘・夢・花の物語』
作: 岸田理生
演出 :山本健翔

岸田理生さんは、
かの寺山修二さん主宰の演劇実験室「天井桟橋」に在籍された方です。

寺山修二さんの作品というと
「書を捨てよ町に出よう」
「田園に死す」
「さらば箱舟」
あたりを見たことはあるのですが、
その人間という物体の生々しさ、
ひねた側面をデフォルメして描く感じが独特なものでした。
今回の作品も、どこか日常的でありながら、
平穏ではいられない要素をデフォルメして観客に提示するかのようで
ある意味インパクトのある作品だったと思います。
ふっと笑ってしまう部分があったのは演出によるものでしょう。

それにしても、観客の年齢層が高かったのですが、
どうしておばちゃんたちは上演中もぺちゃくちゃしゃべるのだろうか。
かんべんしてほしいなあ。あれは。

投稿者 i_rain : 00:47 | トラックバック

2006年07月07日

6/25 立つ女@アトリエヘリコプター

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その14。

立つ女
作+演出:兵藤公美(青年団)/藤田桃子(水と油
出演:兵藤公美/藤田桃子/丸山和彰(CAVA)/オムトン

アトリエヘリコプターとは、昔ながらの
“入るとすぐ事務所があって、その奥が作業をする工場”
になってる工場をそのまま舞台とした劇場でした。

工場そのままだったので、少し早めに行ったのがあだとなり、
みごとにスルーして15分くらいさまよい歩く。。。

会場は、工場を観客席を設けて、工場を広く使うのもでした。
3名が演者。左手にオムトンの3人が生演奏。

演劇であり、マイムである。
そしてそこに生演奏が加わる形は変わった編成でしたが、
なんとなく前衛的な雰囲気をかもし出した感じでした。

演劇的な要素というのがちょっと難しく感じたのですが、
科白をマイムっぽくというとわかりやすいでしょうか。
マイムと演劇をコラージュしたというよりは、
マイムに演劇的な要素をデコレートした印象です。

工場の暗い雰囲気と最低限の証明がなんだかぴったりとしていて
心の底をちょっとかゆくしてくれる(?)楽しさでした。

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2006年07月01日

6/17 KAHOU KANZO SOLO DANCE - HOME SWEET HOME @アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その13。

KAHOU KANZO SOLO DANCE - HOME SWEET HOME
作・ダンス 神蔵香芳

ダンスというと、
躍動感とか“動”のことばで語るべきものではないか
という先入観を持っている。

だけど、この人のダンスは何か別物のようであった。
哲学を形にしたかのようなダンス。
短い科白のようなものがあるけれど、
それが見てる側とのつながりとなるヒントなのかもしれないな、
と思ったり。

100%じゃなくて、120%真剣に見るべきものかもしれないなあ。。。

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2006年06月16日

6/11 reset-N+Le Théâtre de Ajmer "Adagios"@アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その12。

reset-N+Le Théâtre de Ajmer
"Adagios", fragments for two women
アダージオ 二人の女のためのフラグメント

構成・演出:フランク・ディメック/夏井孝裕
出演:ムニラ・シャレド 町田カナ

生と性の哲学っぽいお話。

会場自体が、“何か”を比喩しているかのごとく、
白を基調とした壁と床。
天井から縦に吊るされた証明代わりの蛍光灯。
そして舞台から2m位の高さに吊るされた透明なパイプ。
なんとそこには生きてる白鼠さんが2匹。。。

非日常的な動きと、哲学ではあるのかもしれないけど、
感情を吐露するかのような科白(放送できません)。

うーん、難しかったかなあ。でも、退屈はしませんでした。
圧倒されていたのかもしれません。

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6/10 帰れない二人@三鷹市芸術文化センター 星のホール

いつもの会員制度とは別で見に行きました。

阿藤快&堀越のりの出るホームコメディといったら
それだけで無条件で見に行きたくなります。

言うまでもなく、

阿藤さん→冗談通じん頑固お父さん
堀越さん→意外と考えてる爆弾娘

という役柄なわけですが、阿藤さんの存在感は大きいだけに圧倒(笑)。
最初、黒子役で出てきた阿藤さん。
もうそれだけでおなかいっぱいです(笑)。
オーバーアクションの阿藤さんもナイス(笑)。
しっかりと骨の通った懐かしいコメディでした。

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2006年06月03日

5/28 文学座+青年団 自主企画交流シリーズ&青年団国際演劇交流プロジェクト2006 「職さがし」@アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その11。

文学座+青年団 自主企画交流シリーズ&青年団国際演劇交流プロジェクト2006「職さがし」
作:Michel Vinaver
演出:Arnaud Meunier

今回の文学座+青年団 自主企画交流シリーズの最後は「職さがし」。

面接官

男の妻
男の娘
の4名が繰り広げるお芝居(役者4名は日本人です)。

面接に来た男は長々と、
必要なのか?と疑問を持ちたくなるような
質問をひたすら浴びせかけられる。
一方で、男は家庭の問題もかかえている。。。

なんというか、展開がすごかったです。
・面接官←→男
・男←→妻+娘
という2つの柱が同時に展開します。
面接官と男が科白を交わしあったかと思うと、男と妻の会話となったり。
・面接感の会話
・家族との会話
の2つをそれぞれ30のシーンにぶった切って、各シーンで同時に展開させる。
目まぐるしい線と線が飛び交うがごとく。

役者4名の動きは基本的に立ち位置がシーンごとに変わるのみで、
あとはひたすら科白の飛び交い。1時間45分。
見ているほうも試練かもしれませんが、役者さんにとってはかなりの試練ではないかと。

白を貴重としたステージと衣装。
それに反するような、断片化とモンタージュで作り上げた展開。

経験したことの無い手法にただただ感服。

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2006年06月01日

5/27 文学座+青年団 自主企画交流シリーズ 「お月さまへようこそ」@サイスタジオコモネ

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その10。

文学座+青年団 自主企画交流シリーズ「お月さまへようこそ」
作:ジョン・パトリック・シャンリィ
演出:森 さゆ里

6つの小物語。

  (恋+愛)×孤独=6つの物語≒「お月さまへようこそ」

月を頭の片隅においてみると、
6つの物語のどこかに安心感が漂ってるよう。
そんな感じの時間でした。時にはこういう小物語もいいかな、と。


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2006年05月22日

5/21 文学座+青年団 自主企画交流シリーズ 「地下室」@アトリエ春風舎

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その9。

文学座+青年団 自主企画交流シリーズ 「地下室」
作・演出:松井周(青年団)

なんとも言いがたいストーリー
というほどでもないのだけれど、
なんとも客観的に冷静に見れる劇ではなかった。

これはかなり演出家の人にやられたなー、と
感じさせられるのであった。
“いい人っぽいけど、なんだかむかつく”役を演じている役者さんが
いるのだが、時間が経つほど、見てる側がほんとにムカつくのである(苦笑)。

終わってから、他の観客の人たちが
「ムカついたよね~」と言っていたのを聞いて、
「あくまでもこれは演劇なんだ」とちょっと現実に戻された気分になったくらい。

演出家の人に乾杯!と言いたくなるほどでした。

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2006年05月20日

5/20 文学座+青年団 自主企画交流シリーズ 「忠臣蔵」@アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その8。

文学座+青年団 自主企画交流シリーズ 「忠臣蔵」
演出:戌井市郎(文学座)
 作:平田オリザ(青年団)

大石とその家来の侍達。
吉良邸に討ち入るか、それとも篭城を選択するのか。。。

動きはほとんどない会話を楽しむ劇。47分。
主張を持たない家来。
“武士道”という言葉は持ち出すけど、貫けない家来。
結局、わがままな家来。
理屈をこねてる様で、どこかまとめきれない大石。

現代人を映し出して、ときには笑いを誘うものもあり。
でも、それは自分達が写っているものを笑っているのかもしれない。
なんだか、なーなーな結論に収束してしまってるところは
まさに現代、なのかなあ(苦笑)。

ところで、パンフレットの
「若し眠気がさしたら演出が悪いのです。」
という戌井さんの言葉には拍手を送りたいです。

投稿者 i_rain : 23:45 | トラックバック

5/14 文学座+青年団 自主企画交流シリーズ「チェンジングルーム」@アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用して見てまいりました。その7。

文学座+青年団 自主企画交流シリーズ 「チェンジングルーム」

とあるラグビーの試合の更衣室(The Changing Room)。
試合前、ハーフタイム、試合後。
そこにある風景を描いた作品。

総勢、20名を超える役者がなんとも圧巻です。
試合前、集まってくるメンバー、オーナー、監督、マネージャー。
「グランドコンディションが悪いこと」を愚痴りながらも
試合への盛り上がりを映し出したのはすばらしいものです。
こちらまで気合が伝わってくるよう。

ハーフタイム。
選手達がほんと泥んこになって舞台へ戻ってくるのは
なんともお疲れ様というか。(^ ^;;
冬に毎回こんなことしてたら、風邪引きますね(苦笑)。

試合後。
試合の興奮を残しながらも、舞台から一人、また一人消えてゆく。
緊張感が残っただけの更衣室。
昔、部活で一人一人帰ってゆく寂しさにも似た何かを思い出した感じです。

動と静の大きな押し引きに引き込まれる作品でした。

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5/13 青年団第50回公演「上野動物園再々々襲撃」@紀伊国屋サザンシアター

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その6。

青年団第50回公演 「上野動物園再々々襲撃」
原作/金杉忠男
脚本・構成・出演/平田オリザ

・・・で、「卵」からのハシゴだったのですが、
小腹が減っていて、ついうっかり、
マクドナルドーで数ヶ月ぶりに小腹を満たしたら、
劇の途中、おそらく肝心なところを30分位眠ってしまいました。orz

教訓
・小腹を満たして劇を見ない
・ハシゴはやめるべし

感想になってないけど、一応。


~あらすじ~


同窓生の葬式の帰り道、とある下町の喫茶店に、
小学校の同窓生が集まり上野動物園から駱駝を盗み出して、
かつてのクラスのマドンナをそれに乗せようと画策する。
かつての悪ガキたちの追憶と、
すでに中年となってしまった彼らの現実生活とが
オーバーラップするなか計画は着々と進められていく。
人生の深い悲しみと、小さな希望がコミカルに描かれる。


人生を折り返した人々が、
今後迎える引き際と過去の間を綱引きしていくかの様子を
描いたように感じました。
そこには過去への懐かしさとともに、
仲間たちと共に、悲しみの中に何かへの到達を予感させるような
すがすがしさを含んでいるようでした。

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2006年05月19日

5/13 文学座+青年団 自主企画交流シリーズ 「卵」@サイスタジオコモネ Aスタジオ

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その5。

文学座青年団による交流企画。その1。

文学座+青年団 自主企画交流シリーズ 「卵」

韓国の寓話劇。
韓国では長い間上演禁止という憂き目に会った作品だそうです。

博物館長がペテン師となり、王様と市民を翻弄するお話です。
恐竜におびえる市民。市民を守る王。
王を翻弄し自害させ、ペテンにより王となる博物館長。
発見したという卵を持ち出して。。。

“卵から新たな強力な力を持った王が生まれる”
いや、
“卵の中身は恐竜だ”

男はペテンを繰り返し、市民を混乱させる。


博物館長を演じる方のペテン師ぶりが
なんともすばらしかったですね。
孤独にして、ペテンを繰り返す。
その男の真意を考えるには、妙な深さがあったように感じました。
国の危うさか、人の危うさか。
すーっとのめりこんだにしては、考えさせられるお話でした。

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2006年05月18日

5/6 まことクラブ 部活動報告会 vol.4 「シカク」@アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その4。

まことクラブ 部活動報告会 vol.4 「シカク」

ダンスパフォーマンスを主体とした公演。

子供の頃、なんだか意味の無いおふざけで、
妙な動きをして他人を笑わせようとしたことありませんか?
そういう動きを“いい大人が真剣にやってみました”的な
印象を受けました。
それは、意味を求めない幾何的な動きであったり。
なんらかの場面が与えられれば、
必然的に生まれそうな動き。「シカク」

見ていてのめりこんでしまうのは、
演じてる人たちは真剣なんだろうけど、
どこか私の“面白いぞ”という感じる部分を
無意識に揺さぶられているようでもありました。

あと、演劇主体の人とダンス主体の人が混じっているのですが、
ダンス主体の人は体の動きにスムーズな流れがありますね。

かなりよかったです。星5つ☆☆☆☆☆。

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2006年04月04日

4/1 青年団若手自主企画 vol.27 「別」@アトリエ春風舎

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その2。

4/1 青年団若手自主企画 vol.27 「別」@アトリエ春風舎

 被災した町は、確実に復興の兆しを見せていた。 仮設住宅の撤収も決まり、近々全ての住人が退出する。 退出後に離婚する夫婦、自殺者の家族、ボランティアメンバーによるお別れ会。 甘えきった人間関係による、それぞれの「お別れ」の模様、

全編にわたって方言でした。
そのためか、話をほとんど追うことができず。。。
うーん、こんなときでもどこか見るべきところを見つけたほうがいいのでしょうけど、
それもできなかったです(反省)。
あと、話半分過ぎるくらいまで、
自分のウォークマンが動きっぱなしで音漏れに気づかず(反省)。
#もちろん、音楽聴きながら見てたわけではないですよ。
そのときまで、雨の効果音に紛れていたとはいえ、反省。

うーん、反省。
感想になっとらん。しくしく。

投稿者 i_rain : 00:15 | トラックバック

2006年03月28日

3/25 スロウライダー第7回公演「トカゲを釣る」@駒場アゴラ劇場

2006年度の駒場アゴラ劇場支援会員制度を利用してみてまいりました。その1。

スロウライダー 第7回公演「トカゲを釣る」

アパートで共同生活をする男たち。
そこでは化け物のような蝸牛を一人一匹飼わなければならないようだ。
その蝸牛同士の共食い。
そこから生まれる人間関係の悪化。
生まれる悪意。そして、他人との壁。
そして、トカゲとは?(←私、追いきれてませんでした(苦笑))

ストーリーを追いきれていなかったけど、
なんだかぐいぐい話の中に引っ張られる感覚がよかったです。
うーん、なんでぐいぐい引っ張られるような感じだったのか
どう書いたらいいのかわかりませんが、
面白いお芝居だったと思います。
それぞれの役者がもってる個性に
ぴったりと適役がはまっていた印象もあります。

あと、セットがすごかったです。
舞台を2階建て(アパートの3階と4階部分)を作ってしまっていたのは
すごかったですね。
あのようなセットは初めて見ました。

個人的には、結構注目してもいいな、と思った劇団でした。

投稿者 i_rain : 00:20 | トラックバック

2006年03月17日

2006年度アゴラ劇場支援会員

2006年度のこまばアゴラ劇場
支援会員募集が始まりました。

こまば劇場ラインナップ
http://www.komaba-agora.com/line_up2006.htm

2006年支援会員制度
http://www.komaba-agora.com/sien2006.html

2005年度は会費一万円の通常会員でした。
基本は、7枚のチケットがもらえて、
2005年度中の劇7つ見られる、というものでした。
通常二千円代~3千円代するので、それでも十分お得でした。
ただ、知らない劇団ばかりでどれを見るか、ということでは随分頭を悩ませました。

今もまだ、知らない劇団ばかりです。
ということで、2006年度は会費3万円の特別賛助会員Sになりました。

随分思い切ってしまいましたが、
今年度はどれを選ぶか悩まずに馬鹿みたいに劇をみたいと思います。
ウンチクとかそんなのなしで、ただ馬鹿みたいに見る、です。

年間50本見たら、ほんとに安上がりです(笑)。
まあ、堅実に30本目標にしましょう。

投稿者 i_rain : 01:07 | トラックバック

2005年11月16日

11/12 渡辺源四郎商店 開店準備公演「俺の屍を越えてゆけ」@アトリエ春風舎

弘前劇場に在籍していた畑澤聖悟氏が新たに立ち上げた「渡辺源四郎商店」の開店準備公演。

---お話---
夕刻。あるローカル放送局の会議室に6人の若手社員が集められた。
彼らは社長より密命を与えられている。
リストラする管理職を1名、この場で決定しなければならない。
かくして気の重い話し合いが始まるのであった。
----------

ネタばれというほどのものはありませんが、続きます。

とても人間臭くなりそうなシチュエーション。
一歩間違えるとコメディにもなりかねない感じもしましたが、
そうならないのは“本当に人間臭い”部分が
セリフだったり身振りなどによくでていたからではないでしょうか。

それぞれの役者がもっている生活言語を大切に扱うということらしいのですが、
よくよく考えると、演出家の言語に合わせてしまうと統一感はあるかもしれないけど、
日常から離れてしまうかもしれませんね。
そういうところでも“人間臭”かったような気がしてます。

シチュエーションとしてはなかなかありえないものではありますが、
そこに人間臭さを美味く乗せて、地上に足の着いた劇となっていたような気がします。


来年2月のこまばアゴラ劇場「冬のサミット」における公演
『夜の行進』も楽しみにしたいと思います。

投稿者 i_rain : 23:50 | トラックバック

2005年10月31日

10/30 ソウルノート@駒場アゴラ劇場

青年団+劇団Park。
平田オリザ原作の「東京ノート」を
韓国の演出家Park Kwang Jung が「ソウルノート」として脚色したものが
アゴラ劇場で公演となりました。
韓国と日本の役者20名近くが演ずる劇。

2014年のソウルのとある美術館の休憩室が舞台。
欧州で起こった戦争から逃れた絵画たちが集まるがごとく、
現地韓国の人々、日本から移り住んだ人、日本から訪れた人が待ち合わせては去ってゆく・・・。

肝心の感想なのですが、
韓国語と日本語が飛び交い、韓国語のセリフに対しては字幕付きでの鑑賞となり、
さらに同時多発的にセリフが発せられたので
セリフを追うのもおぼつかなかったのが正直なところです。

戦争というものに対する登場人物それぞれがとっている距離はさまざまで
セリフの中に見られるその違いをちょっと考えさせられた感じでした。

役者20人弱で観客は80名くらいなので、なんだか贅沢な劇だな、と単純に思ったりもしました。

今年度のアゴラ支援会員のチケット引換券もあと2枚となってしまいました。
1500~3000円くらいの料金の劇を1万円で7回見られるのは随分とお得です。
来年度も支援したいと思います。

投稿者 i_rain : 22:10 | トラックバック

2005年08月28日

8/21 劇団6.89「緊急転校生」@star pine's cafe

劇団6.89「緊急転校生」@star pine's cafeを見てきました。

気楽にコメディ見るならこの劇団だな、と。
勘違いが勘違いをよび無理を押し通してさらにおかしくなる、という手法は
私にはわかりやすくて、余計なこと考えずに見ていられるので隙ですね。
#そのパターンをいろいろな笑いにもっていけるとさらにいいのかもしれません。

あと、今回は原田さんがずっと出ずっぱりで演奏。
劇はコメディかもしれませんが、原田さんの歌はしんみりと染み入るフォークで
なんだか不思議なマッチでした。
今回、それがすごくよかったです。

なお、岩井太郎さん演じる〝きもい医大生〟がすばらしかったです(苦笑)。
あれほどのはまり役は最近見た劇の中でも1番かもしれません。

投稿者 i_rain : 01:07 | トラックバック

2005年08月17日

8/14 山田club「境界線」@Laputa

日曜の昼間に劇を見ようと手元にあるパンフレットを眺めていたのですが、
阿佐ヶ谷にあるLaputaに一度行ってみたかったこともあり、

山田club「境界線」

を見てきました。

↑Laputaは阿佐ヶ谷駅から徒歩2分くらい。
なんかもっと15分くらい歩いた郊外にあるものだと思っていただけにちょっと意外。

劇が行われるのは建物の地下になるのですが、
舞台を見下ろすような座席配置で、映画館よりも急な感じです。
ちなみに後列のほうだと天井に頭をぶつけかねないような感じがして、
前から3~5列あたりがベストポジションかと思われます。

お話については割愛しますが、副題「だから正義はどれなんだ!」ということで、
テーマは善悪についてでした。
テレビでも見たことあるような役者さんもいますし、
どの役者もセリフチックな印象はうけないので、劇自体は安心して見られます。
ただ、後半が若干セリフばかりに陥っている印象は否めなかったような気がします。
・・・・・というか、後半冷房切られた&千秋楽満員で暑かったので、集中力切れてしまいました。
そういうときのセリフが多いのは辛いです(苦笑)。

劇は終わってしまったのですが、スカパーで放映されるようなので興味ある人はどうぞ。
__theatre plateaux__テアトルプラトー

投稿者 i_rain : 22:49 | コメント (2) | トラックバック

2005年04月19日

4/16 劇「隣にいても一人」@駒場アゴラ劇場

先々週に知った場所が結構よかったので、そこで行われている劇を見ることに。
劇見るのは久しぶり。

今回は
「隣にいても一人」@アゴラ劇場
青年団プロジェクト公演 作・演出 平田オリザ

お話は、とある兄弟と姉妹のお話。
離婚しそうな兄・姉夫妻。
そして、朝起きたら〝夫婦になっていた〟弟・妹夫妻(?)。
どうして〝夫婦になっていた〟というところなのですが、
朝起きたら〝隣にいた〟というだけだったりするのです。
それでもこの弟・妹夫妻は〝夫婦〟と言い張り、
兄・姉夫妻にいろいろ突っ込まれたりという感じのお話です。

ポイント
・兄役の〝くらもちひろゆき〟氏(架空の劇団)は半ば面白いように突っ込みを入れるのですが、
 これがコメディ一歩手前という感じがしました。それがいい。
・全体的に、セリフがセリフくさいところ感じさせなかったので
 自然に入り込めた感じでした。
・あくまでも、日常臭さが出ていて、特に目立ったクライマックスはありませんでしたが、
 私はそういうほうがええなあ、と思ったり。

70分くらいの劇ですが、これで1500円ですから十二分に満足でした。
観客席は60人くらいで満席でした。

なかなか、観劇面白い。

去年は大体月に2・3回ライブに行っていたけど、
今年は月1・2回のペースになりそうなので、
こらからはしばらくは劇でも見歩こうと思ったり。

追記:

劇を見て、これならば年7回くらい軽く行くだろう、と思い、
年7回分のチケットで年会費1万円のアゴラ支援会員になりました。

今年は他でもいろんな劇を見て、贔屓の劇団を見つけよう。

投稿者 i_rain : 23:55 | コメント (2) | トラックバック